天気図から風と波を予想していい波をあてる!
LINE講座:5回目の配信です
ここまで、
- 波高と周期
- 風浪とうねり
- 波はどうして崩れるのか
について整理してきました。
今回で「波の要素と種類」のパートは最後になります。
波の「周期」
海に行くと、まず目に入るのは波の高さです。
しかし、
波高だけを見ていると、
本当のコンディションを見誤ることがあります。
逆に、周期を理解できると、
- どれくらいパワーがあるのか
- どれくらいサイズが出るのか
- クオリティは期待できるのか
こうしたことが、
データからイメージできるようになります。
今回はその「周期」を、
できるだけ分かりやすく整理していきます。
波の「周期」を意識する①~波長と周期~
まずは「周期」を理解するために、
もう一度 波長 との関係を整理しておきます。
どちらも対象としているのは、
次の山(または谷)が来るまで
つまり、1波分です。
違うのは「表し方」です。
- 波長:1つの波の長さ(単位:m)
- 周期:1つの波の時間(単位:秒)
同じ波を、
長さで見るか、時間で見るかの違いになります。
波長はブレイクとも深く関係している
これまでの回でも触れてきましたが、
波長はブレイクの仕組みに強く関係します。
- 水深が波長の1/2以下になると、海底の影響を受け始める
- 波高が波長の約1/7になると、波はブレイクする
この2つの関係から分かるのは、
より深い場所から変化し始め、
より大きく成長しやすい
ということです。
横に長い波は、エネルギーを多く持ち、
ブレイクまでの余裕もあります。
だからこそ、
波長(=周期)の長い波はサイズが出やすいのです。
なぜ「周期」を見るのか?
実際の観測データや予報では、
「波長」よりも 周期 が使われます。
理由はシンプルで、
到達間隔(何秒ごとに波が来るか)の方が測りやすいからです。
つまり、
データ上では「周期」を見れば、
波の横のスケールやエネルギーを推測できる、ということです。
ここから先は、
「周期が長い波とは具体的にどんな波なのか?」
を掘り下げていきます。
今回のポイント
大きく成長しやすい
波の「周期」を意識する②~周期の長い波とは~
では、
周期の長い波とはどんな波なのか?
ここで思い出してほしいのが、
「風浪」と「うねり」の違いです。
風浪(風波)は周期が短い
風によってその場でつくられた波は、
まだ発達途中の波です。
- 不規則
- 尖っている
- バラついている
こうした波は、
周期が短い(5~7秒程度)ことが多いです。
オンショアでサイズが上がった日の
ぐちゃっとした波をイメージすると分かりやすいですね。
うねりは周期が長い
一方、遠く離れた海域で発生し、
長い距離を旅してきた波はどうでしょうか。
- 規則的
- 丸みがある
- セットで入ってくる
こうした波は、
周期が長い(10秒以上)ことが多いです。
周期も長くなる傾向がある
例えば、
- 日本のすぐ南海上を通過する低気圧からのうねり
- はるか南海上の台風から届くうねり
この2つでは、
後者の方が周期は長くなります。
周期と波のクオリティ
周期が長い波は、
パワーもあり、
筋の通ったうねりになりやすい
つまり、
サーファーが好む
クオリティの高い波に近づきます。
逆に、
周期が短く波高だけが高い場合は、
サイズはあってもショルダーが張らず、
乗りづらい波になりがちです。
データを見るときの注意点
波情報を見るとき、
つい「波高」だけを見てしまいがちです。
しかし、
想像以上に走れる波になることがある
逆に、
波高が高くても周期が短い場合、
ただのジャンクコンディションということもあります。
だからこそ、
波高と周期はセットで見る
これがとても重要です。
今回のポイント
クオリティに直結する
波の「周期」を意識する③~三角形の面積で考えてみる~
ここまでで、
- 周期が長い波ほど発達していること
- サイズ・パワー・クオリティに影響すること
を整理しました。
では、
実際のデータからどうやって波をイメージするのか?
ここで使うのが、
「三角形の面積」という考え方です。
1つの波を三角形に見立てる
実際の波はもちろん三角形ではありませんが、
イメージとして、
周期(≒波長)= 三角形の底辺
と考えてみます。
すると、
という式になります。
この「面積」を、
ざっくりとした波のエネルギーの目安と考えます。
面積が大きいほど何が起きるか?
例えば、
- 波高が大きい
- 周期が長い
この2つが揃えば、
三角形の面積は大きくなります。
サイズもパワーも強い
そして、
ショルダーが張った、
伸びのある波になりやすいのです。
具体例で考えてみる
① 風浪(風波)のケース
- 波高:5m
- 周期:6秒
一見サイズはあります。
しかし周期が短いため、
底辺が短く、三角形は細長い形になります。
パワーがまとまらない
結果として、
ショルダーが張らず、
走りづらい波になることが多いです。
② グランドスウェルのケース
- 波高:3m
- 周期:14秒
サイズはそこまで大きくなくても、
周期が長いため底辺が長い。
ブレイクした瞬間に「ズドン」と
重みのある波になります。
これがいわゆる、
筋の通ったグランドスウェルです。
面積と形状の両方を見る
重要なのは、
三角形の形(周期の長短)
両方をセットでイメージすることです。
波高だけを見るのではなく、
周期も含めて考える。
これができるようになると、
データを見ただけで
「これは走れそう」
「これはジャンクだな」
という予想ができるようになります。
今回のポイント
「三角形の面積」でイメージする
波の「周期」を意識する④~波高と周期で波をイメージ~
ここまでで、
- 周期が長い波ほど発達している
- 三角形の面積でエネルギーをイメージする
という考え方を整理しました。
ここでは、
実際の「秒数」の感覚を持っておきましょう。
周期の目安(サーファー感覚)
- 5~6秒:オンショアの風波
- 7~9秒:近場の低気圧からのうねり
- 10~12秒:遠方の低気圧・台風うねり
- 13秒以上:グランドスウェル
だいたいこのようなイメージです。
5~6秒の世界
周期5~6秒は、
その場の風によって作られた波が多いです。
- 不規則
- セット感が弱い
- まとまりにくい
サイズがあっても、
走れる波になりにくいのが特徴です。
8~9秒になると
近場の低気圧や南岸低気圧からのうねりが入ると、
周期は8~9秒程度になります。
ここまでくると、
セット感が出始めます。
まだ荒れやすいですが、
条件が整えば十分サーフィン可能です。
10秒を超えてくると
周期が10秒を超えると、
明らかに波の質が変わります。
セット間隔も長くなり、
しっかりした波がまとまって入ってきます。
このあたりから
「いい波だな」と感じやすくなります。
13秒以上は別格
台風など、遠方で発達した波が届くと、
周期は13秒以上になることがあります。
波高がそれほど高くなくても、
になります。
サイズの割にパワーが強く、
リーフや地形の影響も強く受けます。
周期が長い日は、
想像以上にサイズアップすることもあるので
注意も必要です。
「波高」だけを見ると危険
例えば、
- 波高:1.2m
- 周期:14秒
数字だけ見ると小さく見えますが、
実際は頭近いセットが入ることもあります。
逆に、
- 波高:3m
- 周期:6秒
これはジャンクになりやすいです。
このセットで判断する
これが、
データを見る上での基本です。
今回のポイント
波の質が読めるようになる
波の「周期」を意識する⑤~周期データの見方~
ここまでで、
- 周期が長い波ほど発達している
- 波高と周期はセットで見る
- 三角形の面積でエネルギーをイメージする
という考え方を整理してきました。
では実際に、
どこで周期データを見るのか?
ここを押さえておきましょう。
① 波浪観測データ(実況)
もっとも信頼性が高いのは、
実際に観測されている波浪データです。
気象庁の波浪観測所では、
- 波高
- 周期
が1時間ごとに更新されています。
関東圏なら、
伊豆半島南端の観測点は特に参考になります。
という見方ができます。
まずは実況を確認する癖をつけることが大切です。
② 沿岸波浪予想図
気象庁が出している沿岸波浪予想図では、
- 波高
- 周期
があわせて表示されています。
週末サーファーの場合、
- 前日夜
- 当日朝
この2回チェックするだけでも精度が上がります。
ここを見るだけで、
波の質のイメージが変わります。
③ Windyなどの予報サイト
Windyなどのサイトでは、
「うねりの間隔」という表現で表示されます。
これはつまり、
周期(何秒おきにセットが来るか)です。
風予報だけでなく、
- うねりの方向
- 周期
- 波高
この3つをセットで見ることで、
かなり具体的なイメージができます。
見る順番を決める
おすすめの流れは、
- 天気図で波源を確認
- 観測データで周期の変化を見る
- 予想図で翌日の周期をチェック
この順番です。
「波高だけ見る」という段階から、
という段階へ進むことが、
一つレベルアップしたサーファーへの道です。
今回のポイント
周期も必ずチェックする
まとめ:波の要素と種類
ここまで5回にわたって、
「波の要素と種類」
についてお話してきました。
少しボリュームも多かったので、
ここで一度整理しておきましょう。
① 波を構成する3要素
- 波長
- 波高
- 周期
この3つで波は表現できる。
② 風浪とうねり
- 風浪=周期が短く不規則
- うねり=周期が長く規則的
サーファーが狙うのは「うねり」。
③ 波が崩れる仕組み
- 水深が浅くなると波は減速する
- 後続の波に押されて波高が上がる
- トップが重力に耐えられなくなりブレイクする
- 潮の満ち引きも水深に影響する
④ 周期を意識する
- 波高だけで判断しない
- 周期が長いほどエネルギーは大きい
- 三角形の面積でイメージする
- 波高×周期で波の質を読む
ここまで読んでいただいた方は、
「根拠を持って波を見る」状態へ
一歩進んでいるはずです。
まだ実践はしていませんが、
頭の中ではかなり整理されてきています。
前半パートはここまで
第1回〜第5回までで、
風と波の「基礎理論」を扱ってきました。
次回からは、
より実践的な内容に入っていきます。
- 天気図の見方
- うねりの向きを見つける
- サイズをどうイメージするか
- 気圧配置ごとの特徴
いよいよ「波をあてる」段階です。
ここまでの内容を踏まえて次回を読むと、
理解度はかなり変わると思います。
また次回の配信でお会いしましょう!