【Kindle】サーファーが知っておきたい台風の知識
9月は台風のうねりが届き、サーファーにとって最高のシーズン。
いい波にワクワクしながら海に入ったのに、突然クラゲに刺されて痛みでサーフィンを中断…あなたもそんな経験はありませんか?
実は9月は海水温がまだ高く、台風や潮の動きでクラゲが沿岸に寄りやすい季節。
気象や海況のことも知っておかないと、せっかくのいい波でのセッションもリスクにさらされてしまいます。無防備に入れば、楽しい時間が台無しになってしまうことも…。
でも安心してください。この記事では、9月にクラゲが増える理由から、サーファーができる予防策、万が一刺されたときの応急処置、そしてクラゲシーズンでも楽しめるサーフィンの工夫までをわかりやすく解説していきます。
しっかり準備をして、秋の最高の波を安全に楽しみましょう。
9月の海にクラゲが増える理由とは
9月はサーファーにとって「台風シーズンのうねり」を楽しめる時期ですが、同時にクラゲが多く出る季節でもあります。
ここでは、なぜ9月にクラゲが増えるのか、その背景を気象学と海洋環境の観点から解説していきます。
どんな種類のクラゲに注意すべきかも知っておくだけでも、より安心して海に入ることができそうです。
9月はクラゲシーズンのピーク
夏が終わりに近づく9月は、多くの海水浴場で「クラゲ注意」と掲示されるほどクラゲが増える時期です。サーファーも例外ではなく、刺されてしまうケースが少なくありません。ここではその理由を詳しく見ていきましょう。
昔から「お盆を過ぎたらクラゲが出るから海に入るな」と言われることがあります。これは単なる迷信ではなく、実際にお盆明けの時期は海水温が高く安定し、さらに台風や潮の動きの影響でクラゲが沿岸に寄りやすくなるためです。サーファーにとっては、古くから伝わるこの言い伝えも理にかなった海の知恵といえるでしょう。
海水温が高いまま維持されるため
9月は太平洋高気圧の張り出しや残暑の影響で海水温が25℃以上を保つことが多く、クラゲの発生・滞留に適した環境になります。
夏に比べ人が少なくなる分、混雑を気にせずサーフィンしたいと思うひとも多いですが、8月中旬(お盆過ぎ)~9月いっぱいこそ最も注意が必要な時期なのです。
台風シーズンで海流が変わる影響
9月は台風が頻繁に発生・接近するシーズンです。
台風や低気圧が通過すると、海流や潮の流れが大きく変わり、外洋にいたクラゲが沿岸部に打ち寄せられやすくなることがあります。
実際、台風通過後の千葉や湘南エリアでは、いい波と同時にクラゲが大量に現れるケースも珍しくありません。
よく出るクラゲの種類と危険性
9月に日本沿岸でよく見られるクラゲにはいくつか特徴的な種類があります。種類ごとに危険度が異なるため、知識を持っておくことが大切です。
アンドンクラゲ(秋の代表種)

特に秋口に多く、サーファーが刺されるクラゲの代表格です。
ビギナーサーファーが気づかないうちに刺されていることもあるため要注意です。
カツオノエボシ(猛毒に注意)

風に流されて大量に漂着することがあり、刺されると激痛とともに吐き気や呼吸困難を引き起こす場合もあります。
もしカツオノエボシが確認されたら、無理にサーフィンをせず、海に入らない判断も重要です。
サーファーが知っておきたいクラゲ対策
クラゲの多い9月でも、適切な装備や事前の準備をすることでリスクを減らし、快適にサーフィンを楽しみたいですよね。
ここでは、具体的な予防方法やサーフィン前に確認すべきポイントを紹介します!
予防のための装備・グッズ
サーファー向けの装備やグッズを上手に活用しましょう。
ウェットスーツやラッシュガードの着用
9月はまだ水温が高く「トランクス+ラッシュガード」で入る人も多いですが、クラゲ対策を考えると薄手1㎜などのフルスーツやシーガルが安心です。
ウェットスーツはクラゲの触手が直接肌に触れるのを防ぎます。
「トランクス+ラッシュガード」や「スプリング」も効果的ですが、腕や脚が露出するためリスクは残ってしまいますよね。
クラゲが多いと感じたら、迷わずウェットスーツを選びましょう。
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クラゲ避けローションの効果
「Safe Sea(セーフシー)」などクラゲ避け効果のあるローションを使用するのもおすすめです。
完全に防げるわけではありませんが、クラゲの触手が滑りやすくなり刺されにくくなるといわれています。
特に手の甲や首まわりなどウェットスーツで覆えない部分に塗ると効果的です。
サーフィン前に確認すべきポイント
装備に加えて、事前に環境をチェックすることでクラゲに刺されるリスクをさらに減らせます。
海水温と潮回りのチェック
クラゲは高水温の環境を好み、また潮の満ち引きによって岸に寄せられることがあります。
特に大潮の干潮や満潮前後は、クラゲが浜辺近くに集まりやすい傾向があります。
気象庁や地域の潮見表を活用して、潮回りを確認してから海に入ると安心です。
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🌊明日と明後日の潮回り(湘南エリア:江の島)
■2025/08/24
日の出:05:08 / 日の入:18:20
大潮
満潮:04:48(154cm) / 17:56(145cm)
干潮:11:32(15cm) / 23:40(60cm)■2025/08/25
日の出:05:09 / 日の入:18:19
大潮
満潮:05:29(152cm) / 18:14(146cm)
干潮:12:00(24cm) / -(-cm)— はるべえ@波マニアのサーフィン×気象ブロガー&ライター (@asasfsas24) August 23, 2025
🌊明日と明後日の潮回り(千葉エリア:勝浦)
■2025/08/24
日の出:05:05 / 日の入:18:17
大潮
満潮:04:32(156cm) / 17:41(148cm)
干潮:11:10(19cm) / 23:22(64cm)■2025/08/25
日の出:05:06 / 日の入:18:15
大潮
満潮:05:12(155cm) / 18:00(149cm)
干潮:11:39(28cm) / 23:52(56cm)— はるべえ@波マニアのサーフィン×気象ブロガー&ライター (@asasfsas24) August 23, 2025
風向きによるクラゲの漂流傾向
沿岸部でのオンショア(海から陸に吹く風)は、クラゲを浜辺へと運ぶ要因になります。
逆にオフショア(陸から海に吹く風)のときは、クラゲが沖に流されるため比較的リスクが減ります。
サーフィン前に風向きをチェックすることで、クラゲの発生状況をある程度予測できるのです。
クラゲに刺されたときの応急処置
万全に対策をしていても、サーフィン中にクラゲに刺されてしまうことはあります。
刺された直後の対応や症状が重い場合の判断を知っておくことで、被害を最小限に抑えることができます。
刺された直後の対応
応急処置を知っているかどうかで、その後の回復スピードが大きく変わります。
すぐに海から上がる/患部をこすらない
刺された直後は、すぐに海から上がりましょう。
そのままサーフィンを続けると毒素が体内に広がるリスクがあります。
刺胞(毒針)が皮膚に残っている場合、こするとさらに刺胞が反応して毒が入りやすくなります。
海水で洗い流す(真水はNG)
真水で洗うと浸透圧の関係で刺胞が活性化し、かえって毒が広がる恐れがあります。
サーファーはペットボトルに海水を汲んでおき、応急用として使うのも良いでしょう。
参考:日本ライフセービング協会
https://jla-lifesaving.or.jp/watersafety/jellyfish/
症状が重いときの対応
クラゲの種類や刺された部位によっては、重い症状が出ることがあります。以下のケースでは、迅速な対応が必要です。
アナフィラキシーの危険と救急対応
強い痛みや吐き気、呼吸困難、意識の低下などの症状が出た場合は、アナフィラキシーショックの可能性があります。
これは生命に関わる緊急事態のため、すぐに119番に連絡し救急搬送を依頼してください。
仲間と一緒にサーフィンしている場合は、必ず周囲に助けを求めましょう。
医療機関に行くべき症状の判断基準
痛みが強く広範囲に腫れている場合や、赤み・かゆみが数日以上続く場合は、迷わず医療機関を受診したほうがよいでしょう。
特に目や顔、首といったデリケートな部位を刺された場合は自己判断せずに、すぐに受診するべきかと思います。
千葉や湘南の沿岸地域では、サーファー向けに外傷やクラゲ刺傷の診療経験がある病院もあるようですが、とりあえず近くの医療機関を探してみてください。
クラゲに刺されたことは何度もあります(経験談)
でも、そこまで酷い症状になったことはなくて、ほとんどが「イテーっ!」って感じで、ちょっと赤く腫れてしまうくらいのことが多いのですが、1回だけ左腕に大きなミミズ腫れになったことがあって、あのときはホント痛かったので今でも覚えてます。
むかしは1年に1回は遠州灘トリップと称して、御前崎から伊良湖までのポイントに入りながら美味しいものを食べるというトリップをしてました。
いつも御前崎からスタートして、西へ進みながら出来そうなポイントで入ってサーフィンをして、途中で鰻やら手羽先やら美味しいものを食べて移動をしていました。
赤羽根ロングビーチにあった大松屋食堂の手羽先定食は必ず食べていたのですが、もう10年くらい前に閉店してしまったそうですね…
あと御前崎灯台のところにあったお土産屋さんの畳の部屋で食事もできて、そこのカツ丼がめちゃくちゃ美味しかった思い出があるのですが、もう閉店してしまったかな…
その日は御前崎はサイズがあってハード気味だったから、静波方面に移動して、静波が混んでいたからそのすぐ南の「片浜」で入ったんですよね。
程よいサイズ感でそれほど混んでなく、メローな波で楽しめた夕方の1Rだったんですけど、そこでクラゲに刺されて激痛が走りました。
海から上がると左腕にはこれぞミミズ腫れというくらいな症状になっていて、そのときは海水で洗い流すとか知らなかったので、ポリタンクの真水で洗ってしまったような気がします。
かなり激痛でしばらくウエットも着替えられなかったんですけど、少し落ち着いてきて、着替えもできたので、当時は「キンカン」が効くと聞いたことがあったので、近くのドラッグストアでキンカンを買って患部に塗った覚えがあります。
気持ち程度には良くなったような気がしました。
どんなクラゲが自分の近くにいるかなんて、わからないことが多いんですけど、でも近くでクラゲがいるなとわかったらすぐにその場から離れたほうがよいですね。
そして運悪く刺されてしまったのなら、いくら波がよくても一旦は海から上がって症状を確認したほうがよいでしょう。
アナフィラキシーショックなんかになってしまったら大変ですから。
9月のサーフィンの楽しみ方と注意点
クラゲのリスクはあるものの、9月はサーファーにとって最高のシーズンのひとつです。
台風うねりや秋特有のコンディションを楽しめる時期でもあるため、クラゲ対策をしつつ「秋のいい波」を狙いましょう。
台風うねりと秋の波を狙う
9月は台風シーズンで、南からの強いうねりが日本沿岸に届くことが多いです。
自身の技量に合わせてサーフポイントを選べば、クラゲに注意しながらも、中上級者のサーファーの方にとっては、最高のコンディションを楽しむことができるシーズンです。
南~南東うねり/南西うねりが反応するポイント
台風からのうねりは、その台風のコースによって入る方向が変わってきます。
北上する台風のコース次第ですけど、千葉エリアの場合は南~南東の方向から入ることが多く、また湘南エリアや千葉南エリアでは台風からの南西うねりが入るとリーフのポイントが真価を発揮することがよくあります。
クラゲが漂うリスクはあるものの、波長の長いしっかりとした力強い台風からのうねりの恩恵を受けられる絶好のシーズンです。
千葉・湘南エリアでのねらい目
千葉では東うねりに反応しやすく、湘南では南うねりに反応しやすい特徴があります。
天気図をチェックして、うねりの方向と風の影響を考えれば「クラゲを避けつつ良い波を選ぶ」こともできると思います。
実際、台風の通過後はクラゲが打ち上げられることも多いので、海岸の様子を確認してから入ることも忘れずに。
個人的には、台風がフィリピンの東海上から台湾方向へとじわじわゆっくり北上してきて、湘南と千葉エリアに周期の長い南西うねりが入ってきたときが一番好きです。以下のようなコースのときが程よく楽しめるいい波でした。
週末土日に合わせて南西うねりのいい波![caption id="attachment_8869" align="aligncenter" width="900"] 台風経路図(気象庁HPより引用)[/caption]フィリピン[…]
クラゲシーズンを快適に過ごす工夫
クラゲの多い時期でも、ちょっとした工夫でサーフィンの快適度は大きく変わります。
クラゲが少ない時間帯を狙う
クラゲは日中に比べ、早朝や夕方など水温が少し下がる時間帯に活動が鈍くなる傾向があります。
サーファーに人気の朝イチセッションは、波がきれいで風が弱いだけでなく、クラゲリスクを下げる意味でも有効です。
潮回りと風向きで海況を読む
大潮の干満差が大きい時間帯やオンショアの強い日はクラゲが岸に寄せられやすいです。
逆にオフショアが吹く朝方や小潮の時期は、クラゲのリスクが比較的低くなります。
天気図や潮見表を活用し「うねり+クラゲリスク」の両方を見極める。
9月のサーフィンを安全に楽しむために知っておきたいことですね。
まとめ ~安全に9月サーフィンを楽しむために~
この記事では、9月にクラゲが多く発生する理由、代表的な種類とその危険性、刺されないための予防策、万が一刺されたときの応急処置、そしてクラゲシーズンでも楽しめるサーフィンの工夫について解説しました。
サーファーにとって「いい波を当てる」ためには、
9月は台風うねりが反応しやすいシーズンなので、いい波に出会えるシーズンでもあります。
クラゲを理由に海から遠ざかるというサーファーは少ないかとは思いますけど、装備や環境チェックを整えて挑めば、秋のサーフィンをもっと快適に楽しめるんじゃないかと思います。
早朝やオフショアの時間を狙ったり、ウェットスーツやクラゲ避けローションを活用するだけでも安心感は大きく変わりますよね。
クラゲが気になる時期でも、自然の知識を事前に入れて準備をすれば、9月のサーフィンは楽しいことばかりです。