前回の記事「天気と気象を知るためのキーワード/用語集(その1)」では、主に気象学の観点から大気の熱力学、降水過程、大気の放射と運動に関してのキーワード/用語をずらずらと記載しました。
サーフィンをする上で、海や気象の知識が必要となります。それは、このブログのテーマにもなっている、”いい波”に乗るために”、そして ”安全にサーフィンを楽しむために” も知っておいて損はないですし、ぜひ知っておきたい内容です。[…]
今回はそのシリーズの2回目です。
内容は気象観測全般に関することから天気予報の作成に関する内容までを記載しています。
前回も記載しましたが、こちらに記載の内容はあくまでキーワードレベルの簡単な内容しか記載していませんので、より詳細な内容を知りたい方は、別サイトもしくは以下の書籍を参考にして頂ければと思います。
一般気象学 著:小倉 義光 言わずと知れた気象予報士のバイブル的な本です
イラスト図解 よくわかる気象学 第2版 著:中島俊夫 イラストの解説がとてもわかりやすいおススメです
イラスト図解 よくわかる気象学 予報技術編 著:中島俊夫 予報技術に関する内容がわかりやすく解説されています
- 1 地上気象観測
- 2 国際式天気図記号
- 3 海上気象観測
- 4 航空気象観測
- 5 高層気象観測
- 6 気象衛星
- 6.1 静止気象衛星
- 6.2 極軌道衛星
- 6.3 センサー
- 6.4 水平距離分解能
- 6.5 可視画像
- 6.6 赤外画像
- 6.7 水蒸気画像
- 6.8 赤外差分画像
- 6.9 衛星による雲型判別
- 6.10 Ci(シーラス)ストリーク
- 6.11 トランスバースライン
- 6.12 地形性巻雲
- 6.13 かなとこ雲
- 6.14 バルジ
- 6.15 フックパターン
- 6.16 波状雲
- 6.17 オープンセル
- 6.18 クローズドセル
- 6.19 筋状雲
- 6.20 クラウドクラスター
- 6.21 CDO
- 6.22 テーパリングクラウド
- 6.23 カルマン渦
- 6.24 帯状対流雲
- 6.25 ドライスロット
- 6.26 霧または下層の雲
- 6.27 可視と赤外の対比
- 6.28 雲解析情報図(TSFE1)
- 7 気象レーダー観測
- 8 天気予報の作成
- 9 天気予報
- 10 注意報と警報
- 11 長期予報
地上気象観測
気象測器により測定
- 気圧、気温、降水量、風向、風速、水蒸気量、日照時間など
- WMOの勧告では地上気象観測は150km以下の間隔で行うこととしている。
- 日本では全国約60箇所の気象官署で3時間おきに観測。
目視により測定
雲量、雲形、視程、大気現象
雲量
0~1:快晴、2~6:晴れ、7~8:曇り、9:天空不明
観測値と通報値(国際式)
観測した値を国際基準の通報形式に変換する
気圧
- 0.1hPa単位で測定
- 3桁で表示される
気温
- 1.5mの高さで測定
- 0.1度単位
風速
- 高さ10mのところで0.1m/s単位で測定。
- 風速が0.4kt以下の場合を数字で 00 として表し、この状態を 静穏 という。
風向
- 16、36方位。北は16、36。
- 平均風速:10分間平均、瞬間風速:0.25秒毎。
- 36方位で13,18は16方位ではそれぞれ6(南東)、8(南)となる。
降水量
- 0.5mm単位
- 雪は融かして計測、感雨計もある
雲量
- 観測は10分雲量(13段階)
- 通報は8分雲量(9段階)
降雪深
1cm単位、単位時間の降雪
積雪深
1cm単位、累積の量
日照時間
- 直達日射、全天日射(散乱含む)
- 日照時間は直達日射にて計測している(120W/m**2以上である時間)
国際式天気図記号
国際式の天気記号と記入方式に関する内容です。
気象庁HPにも詳細な内容が掲載されています(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/symbols.html)
国際式天気図記号式(右)
- 気圧
小数点第一位まで、123は1012.3hPa、987は998.7hPa - 前3時間気圧変化量
小数点第一位まで、-15⇒-1.5hPa - 前3時間気圧変化傾向
- 過去天気
観測時前6時間の天気 - 降水量
前3時間
国際式天気図記号式(中)
- 上層雲の状態
- 中層雲の状態
- 8分雲量表示
- 下層雲の状態
- 下層雲量
- 最低雲の高さ
国際式天気図記号式(左)
- 風速
矢羽長いの10kt、短いの5kt - 気温
少数位を四捨五入して1の位まで表記する - 現在天気99種類
何も表示ないときは8分雲量で天気を決める。現在天気の隣の ] は前1時間の現象を意味 - 視程
68=18km、69=19kmと決まっている - 露点温度
現在天気の下の数字が露点温度
AMEDAS
- 全国1300地点 17kmメッシュ
- 4要素 降水量、気温、日照時間、風向・風速(21kmメッシュ)、840箇所
- 積雪は 約210箇所
- 毎正時に送信 前1時間の10分単位の値を含む
- 観測は10分毎 基準値を越えたら臨時通報する
海上気象観測
- 海上保安庁5隻にて観測
- 降水量は測定しない 波しぶき判別不可能
- 海面水温の測定を行う
水深1~2mの水温で海水をバケツでくみ上げて測定、もしくはエンジンの冷却水の取り口で測るインテーク法が用いられる。 - 波浪の測定 波向、周期、波高
有義波高 波の高い方から1/3の平均。最大波高はこの2倍、平均波高はこれの0.6倍 - 風浪とうねり
- 海水(流氷)、着氷、しぶきの測定
- 船舶での風の観測には要注意 船の速さをベクトルから消さないといけない
航空気象観測
- 風向、風速 前10分平均と前2分平均がある
- 視程は目視
- ドップラーレーダー ダウンバーストの観測
- ウインドプロファイラー 風を観測する空港もある(大きな空港は大概ある)
高層気象観測
レーウィン観測
- 00時、06時、12時、18時(UTC)。
- 高さは6時間まえの観測値を利用
- 観測項目:気圧、気球の方位角・高度角の3つを観測
①高度角
②方位角
③移動距離(三角関数より算出)
④高さ(6時間まえの観測値を使用して静水圧平衡より)
⇒風向/風速が算出される
ラジオゾンデ観測
- 00時と12時(UTC)
- 観測項目:気圧、気温、湿度の3つを観測
⇒静水圧平衡の関係から等圧面高度を算出
(気圧と気温から静水圧平衡の式で層厚や高度を算出し、湿度で層厚の補正を行う)
(湿度はある一定の高度まで測定し、上空の気温が低く水蒸気が極めて少ないところでは測定しない)
レーウィンゾンデ観測
00時と12時(UTC)
レーウィン観測とラジオゾンデ観測を同時に行われる場合をレーウィンゾンデ観測という。
よって2つの観測時間が重なった時間がレーウィンゾンデ観測となる。
観測の方法
■00時、06時、12時、18時(UTC)にレーウィン観測
気圧、気球の方位角・高度角の3つ を観測から風向/風速
レーウィン観測は6時間前の気圧と高さの関係が変わってないものとする
■00時と12時(UTC)にはレーウィンゾンデ観測
レーウィン+ラジオゾンデなので、気圧、気温、湿度+気球の方位角、高度角 を観測
風向・風速+等圧面高度の全てを算出
ゾンデ(気球)による高層気象観測 高度約30kmまで観測する
台風中心から300km以内に入った高層気象官署ではレーウィン観測のかわりに、レーウィンゾンデ観測を行う。
高層気象観測点:18箇所
根室、稚内、札幌、秋田、仙台、館野、輪島、潮岬、米子、福岡、鹿児島、名瀬、那覇、南大東島、石垣島、八丈島、父島、南鳥島
その他
日射補正
日射による温度上昇を補正
指定気圧面での通報
特異点
- 逆転層、風のシアが大きいところなど。
- 高層気象観測では指定気圧面だけではなく、特異点におけるデータについても通報される。
高層気象観測の弱点は
1日4回しか観測できないこと、海上のデータが不足
気象衛星
静止気象衛星
- 高緯度を観測することできない 高度:約36,000km
- 高度が高く広範囲を写す 北極から南極まで25分くらいかけてカメラの角度を変えながら写していく。
- 日本付近の画像は発表時刻の約20分前の観測結果となるため、メソスケールの擾乱は注意。
- 解像度わるい
- 24時間連続観測
極軌道衛星
- 同じところをずっと観測することできない
- 高度低い
- 12時間毎の観測になる
センサー
可視センサー
こちらの方が赤外センサーに比べて解像度がよい。
赤外センサー
- 赤外1、2は窓領域の波長を測定。
- 赤外放射は波長帯により吸収度が異なる。
大気による吸収が少ない波長帯10.5μm~12.5μmの領域で観測している。 - この吸収が少ない波長帯のことを大気の窓領域という。
水蒸気センサー
水平距離分解能
- 赤道付近:可視-1.25km、赤外-5km
- 日本付近:可視-1.8km、赤外-7km
可視画像
- 厚い雲ほど白くうつる(雲の厚さを判断):解像度1.25km
- 可視光線によって雲の状況を観測したものであり、地球の雲によって反射される太陽光を気象衛星によって観測した結果である。
- 雲以外に積雪や流氷が白く写ることがあるが、動きが小さいので判別できる
赤外画像
- 雲頂高度の高い、つまり温度が低い雲を白くうつす:解像度5km
- 放射エネルギーは絶対温度の4乗に比例するというステファン・ボルツマンの法則に準ずる
- 雲がなくても温度の低い冬のシベリアや流氷などは白く写される
- 輝度温度が低いものを白く写す設定にしてある。よって赤外画像は温度の分布を示していることになる。
- 気象擾乱を常時監視できるし、雲の観測以外に晴天時の地表面の温度を測定することが出来る。
特に直接測定することができない、海面水温は有益な情報である
水蒸気画像
- 中・上層で水蒸気が多いほど白くうつす:解像度5km
- 暗域:中・上層は乾燥域である
- 明域:中・上層は湿潤域である
- 下層の水蒸気は途中で吸収されてしまうのでわからない
水蒸気画像の目的
- 上、中層の大気の流れを可視化できる
- 水蒸気をトレーサーとして使用する
赤外差分画像
- 霧の判別が出来る(下層雲の判別が出来る)
- 赤外1、2センサーの差分がなければ層雲があり、差分あれば晴天とみなす
衛星による雲型判別
- 雲型の種類 7種類に分類:Ci、Cbなど
- 形状 層状/対流
- きめによる判別 滑らか/でこぼこ
- 動きによる判別 上層風強い/速い、下層遅いなど
- 時間変化による判別 発達早い(対流雲)/遅い
Ci(シーラス)ストリーク
- 温暖前線により上層に巻雲でき、それがジェット気流に流されたもの
- シーラスストリークの北側にジェット気流
トランスバースライン
- ジェット気流に直角にできる巻雲のこと
- 気流が波うった頭の部分が凝結して雲になる
- 乱気流に注意 雲がなくても気流が乱れているのを晴天乱気流(CAT)という
地形性巻雲
山に当たり強制的に上昇され雲になったもの
かなとこ雲
- 積乱雲と巻雲部分がある
- 圏界面より上には行けない
- 巻雲の方向で風向もわかる
バルジ
- 温帯低気圧の発達時に温暖前線の北側に膨らんだ雲のこと
- 膨らみが大きいほど温帯低気圧は発達する
フックパターン
- 温帯低気圧の発達時に寒冷前線側に寒気が入りフックが見える
- これが見えると発達も終盤に
波状雲
山に当たり波打ったところのてっぺんに雲が出来る現象
オープンセル
- 海面水温と気温の温度差が大きいとき 蜂の巣状になる。
- セルの真ん中は雲がない状態
クローズドセル
- オープンセルに比べると温度差が小さいとき
- 寒気の流入が弱まったときなど
筋状雲
- 冬季の日本海などで可視画像で明瞭な対流雲列が観測される。
- 下層風の向きに沿って生じた積乱雲
クラウドクラスター
Cbクラスターともいう。積乱雲が集合した巨大な雲
CDO
台風本体のこと
テーパリングクラウド
かなとこ雲の積乱雲部分は特に対流が激しい(にんじん状のさきっぽ) 毛筆状の雲、主に海洋で発生
カルマン渦
- 強い逆転層下にあるSt:層雲、Sc:層積雲によって覆われている広い海域 チェジェ島(済州島)
- 風向が一定した比較的強い下層風が持続
- 逆転層下の上へ数100m突き抜けている山岳を持つ島
帯状対流雲
- 大陸からの風が大陸の山に当たり2つにわかれるが、日本海付近で再度1つになり収束する(JPCZ:日本海寒気団収束帯)
- 850hPaの収束線の終端がかかっているところは大雪になる
ドライスロット
温帯低気圧の衰弱期に寒気が入ること
霧または下層の雲
- 可視画像では明瞭な白い雲域が観測されているのに赤外画像では黒く雲が観測されていないことがある
- これは下層の雲か霧が観測されていることを意味する
可視と赤外の対比
- 赤外:不明瞭、可視:明瞭な雲域 → 下層の雲が主体
- 赤外:明瞭な雲域、可視:不明瞭 → 上層の雲が主体(可視はやや薄い程度)
雲解析情報図(TSFE1)
- 雲型は8種類。
- 上層雲域、下層雲域、雲天域、積雲域、霧域、Cb域、Cg域、暗域
- 曇天域は多重層の雲域で構成されており、降水を伴っていることが多い。
- 雲頂高度 対流雲やジェット気流の近くでhPa単位で示される。
気象レーダー観測
気象レーダー観測
- 格子間隔:2.5kmメッシュ → メソスケールに対応
- 探知範囲:半径数百km
- 観測データ エコー強度、エコー頂高度(Feet表示)
- 平均受信電力から降雨強度を求める
気象レーダーの観測方法
1.エコーを観測
平均受信電力を計算 平均受信電力は波長λが小さいほど大きくなるが、その分減衰も大きくなり遠くに届かなくなる
2.気象レーダー方程式より平均受信電力(R)からレーダー反射因子(Z)を算出
平均受信電力は距離の2乗に反比例する。平均受信電力Prとすると、Pr=CL**2・ΣD**6/R**2 。
3.Z-R関係式よりレーダー反射因子から降雨強度を計算 Z=BR**β
4.補正をして完了
降水強度
- mm/h
- もし今の降水が1時間続いた場合に達する降水量を示している。
- 60mm/hといっても60mm降るわけではない
後方散乱断面積
- ビームを後方に(発射された方向に)散乱させる水滴の面積のこと。
これが大きいほど受信エコーは大きくなる - 後方散乱断面積はレーダーの波長の4乗に反比例する。
波長が短い程反射量は大きくなるが、短い程減衰も大きくなる。
雪の観測誤差
- 実際よりも降水強度が弱く観測されることがある。
- 乱反射(鏡にヤスリかけて光あてると光が弱くなるのと同じ:後方散乱が弱まる)
- 雪はすきまがあるのでビームが透過する
- レーダーは雨と雪の判別できない
レーダーの波長
- レーダーはレイリー散乱の特徴(前方、後方への散乱が大きい)をうまく使っている。
レーダーはレイリー散乱になるような波長を選んでいる(降水粒子の直径がレーダーの波長より十分小さい時) - 波長が短いと 精度:良、探知距離:短
波長が長いと 精度:劣、探知距離:長
レーダー反射因子(Z)
- 単位体積中にある降水粒子の直径を6乗して足し合わせたもの
- 降水粒子の直径が一様であれば、Zは降水粒子の直径の6乗に比例する
収束発生4パターン
地形/対流/前線/収束
レーダー観測における誤差
①途中の降水によるビームの減衰
途中の雨でビームは減衰する。波長が短いほど減衰大きい
②レーダー反射因子の誤差
③レーダーの高度上昇と空間的広がりによる誤差
・上空のみ降水がある場合(途中で蒸発)
・上空ではそれほど降ってないが、地表面付近に山などがありそこで降水していたらその降水は観測されない
・ブライトバンド(融雪層)を通過した場合は、実際よりも過大なエコーが観測される
(雪の枝がとけて膜が出来るが実際はなかはスカスカなのに1粒の雨として観測されるので)
・ビームは下向きに曲がるが、地球は丸いので見かけ上上に曲がっていくように見える
④山など地形エコーを観測することあり 除去可能。しかし完全ではない。
⑤大気屈折率の乱れによる CAE(晴天エコー、エンゼルエコー)による誤差 除去不可能
⑥波しぶきやシークラッターによる誤差 除去不可能
⑦霧雨を過小に観測する
雨滴と氷粒を比べた場合、反射量は雨滴の方が約5倍程度大きくなる
①氷粒は球形ではない為に乱反射してしまうため
②氷粒は空気が混在しレーダーが透過するため。
ブライトバンドでは実際よりも過大なエコーが観測される理由
①大きな雪片ができ、後方散乱断面積が増大する
②雪片の表面が水になりレーダー反射強度が増すため
レーダーアメダス解析雨量図の作成
アメダス
10分に1回、17kmメッシュ、実測値
レーダー観測
1時間に6回、2.5kmメッシュ(メソ対応)、推定値(計算値)なので観測地誤差大きい
レーダーアメダス解析雨量図
レーダーとアメダスの両者のいいとこを取って解析したもの、30分に1回作成される
降水短時間予報(ナウキャスト)
- 6時間先までの降水分布の移り変わりの予報のこと
レーダーアメダス解析雨量値を初期値として30分ごとに6時間先までの降水強度を予測 - 外挿手法(パターンマッチング)を用いている
新たに発生した降水などは予測できない(弱点)。今までの降水の様子と風などの要因から雨雲がどこに行くかを予想する、ただし3時間先までしか予想できない。 - 降水短時間予報は、外挿による予想とメソスケールの数値予報結果との結合を行い予想している。
・予報時間が短いときは、外挿予想メインで予報
・予報時間が長いときは、メソスケールモデル(数値予報)メインで予報 - 降雨域の外挿
数値予報の700hPaの予想風が利用されている - 地形性降雨
数値予報の900hPaの気温と風が利用されている
外挿とは
今までの流れから次を予測 1,2,3,4,○
○には5が入る
内挿とは
周囲の状況から見て予測すること 1,2,○,4,5
○には3が入る
気象ドップラーレーダー
- 降水粒子へ当たって帰ってきた周波数を観測することにより、降水粒子の動径速度(レーダーに近づく、とおざかる)を算出して降水がどこに移動しているかで風速を見積もる
- 周波数の変化が激しいほど、近づく早さが早い
- 降水粒子の移動を観測している。近ければ周波数は高くなり、遠ければ周波数は低くなる
- ドップラー周波数:fd=-2Vd/λ λ:パルス波の波長(m)、Vd:レーダーの動径方向に遠ざかる方向を正とする
- 主に飛行場のダウンバーストなど
ウインドプロファイラ(WINDAS)
- 風速を観測
降水粒子の代わりに大気の屈折率の乱れの変化を利用し、晴れているときでも風速を見積もれるようになった。
ドップラーレーダーは降水粒子がないと観測できなかった。 - WINDASは全国に25ヶ所ある。(マイクロ波の代わりにUHF~VHF帯の電波を使用)
高度200m~5km(降水あるときは9km)までの風を、100~600mの分高度分解能で10分ごとに観測している
時間軸には注意が必要 - 利点は高層の風を10分に1回観測可能になったこと
数値予報モデルの初期値に利用されている
天気予報の作成
天気予報ができるまで
1.観測 地上、高層、海上
2.データの品質管理 過去データの最大値などと刷り合わせしている
3.客観解析 四次元変分法を用いてGPVを算出、これと第一推定値をブレンド⇒これを四次元同化という(相互補完)
4.初期値化 重力波ノイズの除去
5.時間積分(プリミティブ方程式を計算)
6.数値予報結果の算出
7.ガイダンス(統計処理、翻訳) MOS(KLM、NRN)、PPMなど
8.予報士による修正
9.予報の完成
客観解析
①観測データをもとに四次元変分法にて格子点値を出す 四次元変分法を用いて変換
②四次元変分法ででた格子点値と、6時間前に予想された6時間後の予報値(第一推定値)をブレンドさせる 観測値だけで
なく、過去のデータからの予想(第一推定値)を用いていることがポイント
③解析値の出来上がり 観測値がないような場合は、過去のデータからの推定値である 第一推定値をそのまま使用する
初期値化
- 重力波ノイズの除去が目的 イニシャリゼーションという。
- 客観解析の解析値をそのまま数値予報の初期値として用いると、重力波ノイズによって予報誤差を生じることになる
プリミティブ方程式(時間積分)
①水平方向 地衡風平衡の式(気圧傾度力=コリオリ力)
②鉛直方向 静水圧平衡の式(鉛直気圧傾度力=重力加速度)
③連続の式 質量保存の法則(空気全体の質量が運動によって変わらないことを表す。鉛直p速度はこれで求める)
④熱の式 熱力学の第一法則(ΔQ=ΔW+ΔU)
与えられた熱量=仕事量+内部エネルギーの変化 断熱変化の場合は⊿Q=0 である。
⑤水蒸気の式 比湿の時間変化
数値予報の予想降水量は、過飽和分の水蒸気が全て凝結するとして計算されている。
ただし落下途中に蒸発する分は除かれている。
⑥状態方程式 P=ρRT
気圧は、空気の密度と絶対温度の積に比例する。ボイル・シャルルの法則
- 温度移流
現在の風の状況と等温線から何時間後には、例えば9℃の等温線がここまでくるから気温は9度だななどと予想する - 温帯低気圧などの中緯度の長波現象
地衡風平衡が成り立つものとし、 第一近似として、気圧傾度地力=コリオリ力 の釣り合いとして表現される - 断熱圧縮では 内部エネルギーが増加してあまるので、断熱昇温となり気温があがる
数値予報の限界
- 的確に表現できるのは、格子間隔の5~8倍のスケールまで
RSMは間隔20kmなので、100km以上の現象でないと表現が出来ない - 積雲対流はうまく表現できない 静水圧平衡が成立しないので。数値予報は静水圧平衡の成立が大前提
- 総監規模の擾乱で7~10日程度の予報が限界
パラメタリゼーション
- 格子間隔以下のスケールを持つ現象を反映して格子点値に取り込む作業のこと
- 状態に応じた補正を方程式に反映すること。例えば湖の近くだったら水蒸気の式をちょっとプラスするとか。
数値予報のモデル
- GSM:全球モデル 予報可能:192時間、鉛直層の数:40層、水平解像度(格子点間隔):50km
- RSM:領域モデル 予報可能:51時間、鉛直層の数:40層、水平解像度(格子点間隔):20km
- MSM:メソ数値予報モデル 鉛直層の数:40層、水平解像度(格子点間隔):10km
- TYM:台風数値予報モデル 鉛直層の数:25層、水平解像度(格子点間隔):24km
ネスティング
- モデル上での大気の端での境界条件を設定する必要がある。
- 狭領域モデルではあらかじめ用意されたさらに広領域のモデルの予想値を利用している。これをネスティングという。
数値予報のまとめ
①格子点間隔が短いほど精度はよいが、予想対象時間も短い
②予想対象時間が長くなるほど誤差が増幅し精度は落ちる
③格子点間隔の5~8倍以上の現象でないとうまく表現できない
④積雲対流はうまく表現できない 静水圧平衡が成立しないので
⑤最高気圧や最低気圧、山頂などは完全に表現していない 格子間隔途中の山などは途中で切れてしまう
⑥スケールの大きいモデルの精度が悪いと小さいスケールの精度も悪くなる
⑦格子点間隔を半分にして分解能をよくすると
水平面で4倍、鉛直面含めると8倍、時間間隔も考慮すると全部で16倍の計算量が必要となってしまう。
⑧初期値に含まれている誤差は時間と共に大きくなる。
⑨地形の効果を見込んだ補正されている っが完全ではないので地形性降雨については十分には予想はできない。
ガイダンス
- ガイダンスとは 数値予報の結果から天気への翻訳のための予報支援資料(データ)
- 00時、12時(UTC)を初期値とした数値予報結果を基に、1日2回作成される。
PPM
- 実況の観測値と天気の関係から統計式を作成。その統計式に数値予報ででた結果を代入する。
- ただし、数値予報の結果がちゃんと当たるという前提のもと。数値予報(代入する値)自体が間違っていたらどうしようもない
MOS
- 数値予報の結果と天気の関係から統計式を作成。
- 数値予報が外れた場合も含めて統計式を作成しているので、代入する数値予報が外れたものだったとしてもリカバリーできている。1~2年くらいのデータの蓄積が必要
- 数値予報の予報結果を予測因子とし、予想したい時刻の気象要素を被予測因子としてこれら両者の関係を、線形重回帰モデルを求めてガイダンス作成
- 数値予報モデルが変更になった場合には、統計的関係式を再度作成しないといけない
KLM(カルマンフィルター)
- 3時間降水量、6時間降水確率、最高、最低気温、3時間気温
- 実況と数値予報結果の関係を線形重回帰モデルで求める方式で、統計的関係式を用いるのはMOSと同じ。
- 数値予報モデルが変更になっても統計的関係式は逐次更新されるので、再度作成する必要はない。
NRN(ニューラルネットワーク)
- 3時間卓越天気、最小湿度、3時間大雨確率、3時間発雷確率
- MOSやKLMでは表現できない、非線形効果(突発的な現象:大雨確率など)についても可能になった。
- 数値予報モデルに変更があっても柔軟な対応ができる
ガイダンス利用上の注意
- 位相のズレは修正できない
台風の進路が大きく変わってしまったなど、大元の予想が変わればそれより下のレイヤも大きく変わる。
高・低気圧の位置のズレなどの非系統的誤差は無理。 - 滅多に発生しない現象に弱い
統計より作成されているので、突発的なものに対しては弱い - 降水量のような、量的な予報についてはその精度が劣る場合がある
- メソスケール以下の現象については予測できない
- 季節の変わり目はガイダンスの精度が低下する
渦度
- 単位は ×10**-6/s
回転の度合いを示す。渦を巻いてなくても、水平シアがあるときは渦度は生じる。[絶対渦度]=[相対渦度]+[惑星渦度] - 強風軸の北側で正(プラス)、南側で負(マイナス)の渦度となる
気圧の谷で正(プラス)、気圧の尾根で負(マイナス)の渦度となる。気圧の谷は渦殿極大値に一致する
鉛直p速度
- 単位は hPa/h 1時間あたりの気圧変化量。
700hPaでは10hPa/hあたり秒速3cmに対応する。
下降流が正(+)、上昇流が負(-) - 上昇流域は、下層で収束、上層で発散しているところに生じ、600hPa面付近で発散が0となる
600hPa面付近で鉛直流はこの高度面付近で最大となる
ω方程式
準地衡風近似
全ての大規模な擾乱はほぼ地衡風と考えてよいが、全て地衡風にすると鉛直流は0となってしまうので、鉛直p速度をそのまま残した準地衡風近似というのを元に、ω方程式が得られる
上昇流
500の正渦度移流域、850の暖気移流域、非断熱過程による過熱(潜熱の放出など)
下降流
500の負渦度移流域、850の寒気移流域、非断熱過程による冷却
下層ジェット気流
850hPa面で梅雨前線などに伴う湿舌域ではこの高度で50Kt以上の強風が吹く場合あり
天気予報
地点確率
領域内(例えば大阪市北部)のどこででも確率は80%ですという意味。どこかで80%ではない
地域確率
- 大雨などの発生頻度が少ないものに関しては二次細分区域のどこかで大雨が降る確率となっている
- 府県を一次、二次⇒一次細分
- 阪神地区、播磨地区など⇒二次細分
天気予報の種類
- カテゴリー予報
はれ、くもりなど - 量的予報
気温、湿度など - 確率予報
降水確率など
海上警報
- 全般海上警報 北西太平洋地域
- 地上海上警報 沿岸300海里以内
・海上警報[W]・海上濃霧警報[FOG]・海上強風警報[GW] 17m/s — 25m/s
・海上暴風警報[SW] 25m/s以上
・海上台風警報[TW] 33m/s以上で台風が原因の時
航空気象予報
- 飛行場予報
- 空域予報 FBAS:悪天予想図
台風予報
- 現況
暴風域、強風域、強さ、大きさ - 強さ
強い:33~44m/s、非常に強い:44~54m/s、猛烈な:54m/s以上 - 大きさ
大型:500~800、超大型:800km以上 - 予想 3時間毎に発表。
0,6,12,18は72時間後まで、3,9,15,21は24時間後まで。
暴風域あるときは1時間毎に中心位置や強さ、大きさを推定 - 予報円の定義
予想対象時刻に台風の中心が70%の確率で入る領域 - 暴風警戒域
予報円ないに進んだ場合、暴風域に入る恐れがある領域。台風だからといって必ずしも暴風域があるとは限らない。
熱帯低気圧の分類
- TD:Tropical Depression TD<34kt
- TS:Tropical Storm 34kt<TS<48kt
- STS:Severe Tropical Storm 48kt<STS<64kt
- T:Typhoon 64kt<T
カテゴリー予報の検証
(カテゴリー:晴れ、くもりなど)⇒いずれも100%に近いほうがよい
降水あり/なし:適中率(A+D/N)、見逃し率(B/N)、空振り率(C/N)
見逃しが多い方が評価悪い(災害の際には空振りしたほうが備えがあるので)、しかし空振り多いと信頼が落ちる
スレットスコア[A/(A+B+C)]
- 発現率は小さいが、予測するのが重要な場合。例)冬の大阪の雪が降る確率がまさにそう。
- あり/なし表で、出現が1番多い所を除いた残り3つが分母で、分子は予報も実績もありーありの数。
- ありのスレットスコア、なしの場合のスレットスコアがある
スキルスコア
- ガイダンス結果が適当にやった予測よりも精度が悪ければ問題ないかどうか検証する。
- [ガイダンスで当てたあり&なし]-[ランダムで当てたあり&なし]
- [全体数] – [ランダムで当てたあり&なし]
警報・注意報の評価方法
警報と注意報のときは、なし-なし は考えない
量的予報の検証(量的:気温予想など)
RMSE(2乗平均平方根誤差)
- 誤差なので0に近いほうがよい
- (1回目の予想値-実況値)の2乗+(2回目の予想値-実況値)の2乗+・・・・・(最終日の予想値-実況値)の2乗/予報日数の平方根
- 2乗してプラスして平方根とるので誤差は相殺されることはない。
RMSEで0ならば完全に誤差なく当たっているということ
ME(平均誤差orバイアス)
- 誤差なので0に近いほうがよい
- (1回目の予想値-実況値)+(2回目の予想値-実況値)+・・・・・(最終日の予想値-実況値)/予報日数
- MEが0だからといって誤差がない訳ではない。相殺されてしまっている可能性がある
確率予報の検証(確率予報:降水、発雷、大雨確率など)
ブライアスコア(BS)
- 0に近いほうがよい
- (1回目の予想-実況)の2乗+(2回目の予想-実況)の2乗+・・・・・(最終日の予想-実況)の2乗/予報日数
- 確率は%表示を元に戻す(50%⇒0.5)
- 実況の値は0か1のどちらかになる
予測の経済的評価(コスト・ロスモデル)
C/L>P ⇒ 無体策
Pは大雨などが降る確率
C/L<P ⇒ 体策実施
Pは大雨などが降る確率
浸水による損害額を500万円、1回あたりの対策費を50万円とすると・・・
- C/Lは0.1になる。よって浸水の確率Pが0.1より大きい場合(C/L<P)に対策実施。
- 小さい場合は無体策であるほうがよい
C/Lが1以上のときは
- 常に対策しないほうがいい。コストかかりすぎ。
- BSが悪ければ(0より遠い値であれば)C/Lはガタガタになるので、同時にBSの評価も気にしないといけない
カテゴリー予報と確率予報を比べる場合
- コスト・ロス モデルを用いるとわかりやすい
- 確率予報の方が、コストロス比に対する利益が常に大きい
(横軸:コストロス、縦軸:利益の図)
気候値予測
量的予測の時は気候学的平均値、確率予測の時は対象事項の気候学的確率(出現率)を予測値とする
持続予測
予測時又は以前のある時点の状態が、予測対象時点まで変化せずに持続すると仮定した予測。
最適予測
実況に最も適した予測。
実況降水面積率
観測所4つの内降水を観測したところ2つのときは50%となる 予測対象地域内で、対象時間内に、降水を観測した観測所の数と、降水観測を行う観測所の比のこと
注意報と警報
警報の種類
- 警報とは
重大な災害のおそれがあるときに発表される - 気象警報
大雨、大雪、暴風、暴風雪 - 波浪警報
- 高潮警報
- 洪水警報
- 津波警報
注意報と警報の発令基準は地域によって異なる
警報も広い意味では予報の一種 予報と警報は同レイヤ。予報の中に予報と注意報がある
注意報
- 注意報とは
災害のおそれがあるときに発表される - 乾燥注意報
最小湿度(相対湿度が何%以下になったら・・・)
実効湿度(木材の湿り具合) - 雷注意報
突風や降雹に注意 - 霜注意報
放射冷却あるとき、真冬は雪になるので発令されない - 波浪注意報
沿岸や港による被害のみ。沖合いは海上警報。強風注意報でていたら沿岸部は間違いなく波浪注意報でているはず - 指定河川洪水注意報/警報
気象庁、国土交通省、都道府県知事 - なだれ注意報
- 融雪注意報
春先、雪解けで水量多くなる - 津波注意報
基本的には気象庁発令。例外もあり
その他
- 記録的短時間大雨情報
観測されたあとに出るので予報ではない。大阪は1時間に100mm降ったときで地域毎に基準が異なる - 特定低気圧 台風⇒温帯低気圧になったときなど
- 府県気象情報 情報のみ
地面注意報/警報
- 浸水警報
低地浸水
河川氾濫による浸水(大雨注意報の範疇のときは洪水注意報、警報として行われる) - 大雨警報/注意報が発令されたら
河川氾濫、低地浸水、土砂崩れ/がけ崩れ も同時に発生する
冬季の気象現象と災害
- 視程障害/交通障害
- 着雪害
気温0度以上2度未満くらい - 着氷害
気温0度以下、過冷却水が原因 - 融雪害
雪が溶けて発生する災害の総称、表層なだれ(厳冬期にも発生)、全層なだれ(春先など)
春季の気象現象と災害
- フェーン現象
日本海に低気圧や台風など - 雹
春と秋に多い(冬に比べて対流がある) - 寒冷渦
夏季の気象現象と災害
- 梅雨時の大雨
- 山崩れ、がけ崩れ
- 大雨降ってから災害が起こる時間が短い
秋季の気象現象と災害
- 台風
温帯低気圧にかわると強風域拡大
岬に波が集中しやすい 釣り人は注意 - 高潮
台風きたら。気象潮と天文潮が重なるときは要注意。夏や秋はもともと潮位が高い - 塩風害
降水量が少ないところほど被害大きい - 日本海側のフェーン現象
その他の現象と災害
- 海霧
移流霧:冷たい海の上に暖かい風がのって出来る霧
蒸気霧:暖かい海の上に冷たい風がのって出来る霧(鹿嶋)
気圧配置が変わらないかぎり霧は解消されにくい - 三角波
海上で突風吹き風向が変わると発生 - 気象現象
大雨や大雪などの気象に関する現象そのもの - 災害
河川の氾濫、土砂崩れ、交通障害など人間活動に支障を及ぼす現象のこと
注意報/警報の法則
上書きの法則 全て発令なくなった時点で解除となる
長期予報
1ヶ月予報
長期予報の地域区分
北日本/東日本/西日本/南西諸島
着目点
超長波、偏西風波動、など
短期予報と1ヶ月予報の着目点の違い
- 小さいトラフなどは平均すると消える。
- 1ヶ月予報は平年と比べて、高い、並、低い などの3階級にて行う予報である。どの出現率も33%として考えた場合である(このことを確率論的予報という)。要は平年値と比較しているだけのことである。
500hPaの高度場を見るときのチェックポイント
- いつもより高度が高ければ、それより下の気温が高いので層厚が厚いのではないかと見積もれる。
- 低偏差(平年よりも高度が低いこと)⇒気温低い
高偏差(平年よりも高度が高いこと)⇒気温高い
網掛け域(負偏差域)
500hPa面高度が低かった領域を示す
西谷
- 日本の西側の大陸の方にトラフがあるときを西谷といい、暖湿気流が流れ込みやすく、温帯低気圧が発生しやすい。
- くもりや雨の日が多くなる
東谷
- 日本の東の海の方にトラフがある場合を東谷といい、北西風が入りやすい。
- トラフの後面はリッジなので、低気圧は発達しにくい。晴れの日が多いが、冬場の日本海は除く。
東西指数(ゾーナルインデックス)
- ある地点とある地点の高度差のこと。
1ヶ月予報では、北緯40度と北緯60度の間の高度差のこと - 高度差が大きい時(等高度線が横に並んでいるとき)は、それだけ高度差が大きくなるということになり(地衡風強くなり)、東⇒西の風が強くなる(東西流)。よって寒気が南下しにくくなり暖かくなる。
- 逆に高度差が小さいとき(等高度線が蛇行しているとき)は、南北流型となり、谷場が強くなるということで、寒気が南下しやすくなる。
- 高指数(東西指数が高い)⇒東西流
低指数(東西指数が低い)⇒南北流
アンサンブル
初期値を少しづつずらした数値予報。1ヶ月予報では、26通りの初期値を使用する
アンサンブル平均
26通りの予想結果を平均したもの。この手法が一番精度が高いと言われている。
スプレッド
26通りのアンサンブルのバラつきのこと
スプレッド:大⇒信頼度:小
スプレッド:小⇒信頼度:大
高偏差確率
偏差が大きくなる確率の高さを示す
気温で考えると、平年より高く予想しているメンバが多いと、高偏差確率は+(プラス)になる
気温で考えると、平年より低く予想しているメンバが多いと、高偏差確率は-(マイナス)になる
1ヶ月予報のガイダンス
PPMを使用している
日別予測式・・①~⑤の各状況にガイダンスをかける
期間平均予測式・・・①~⑤の平均したものにガイダンスかける
各種予報の区分
府県天気予報
- 一般に天気予報とよばれるもの。予報期間は明後日まで。
- 風、天気、降水確率、最高・最低気温、波浪(毎日18時にやる天気の内容そのもの)。
- 発表は1日3回の5時、11時、17時
地方天気予報(分布予報)
- 全国を20kmのメッシュに分割して、これらの地域毎に天気、気温、降水量、最高・最低気温を3時間おきに予報される
- 1日3回の6時、12時、18時に発表される。
- 格子内全体を代表する予報(平均値)となっている
地域時系列予報
- 3時間毎の天気、気温、風を24時間先まで予報。
- 1日3回の6時、12時、18時に発表される。これは代表地点の予報値である
降水短時間予報(ナウキャスト)
- 一般に6時間先までの予報は短時間予報としている。
- レーダーアメダス解析雨量図を初期値として1時間おきに外挿をもとにして予報している
週間天気予報
- 7日先までの天気、降水確率、最高・最低気温。
- 毎日11時に発表される。
1ヶ月予報
- 平均気温、降水量、日照時間の確率予報と1週目、2週目、3~4週目の平均気温の階級(高い、並、低い)を予報。
- 毎週金曜日に発表
3ヶ月予報
- 平均気温の確率予報、各月の天候、平均気温、降水量を3階級で。
- 毎月20日に発表
暖候期予報
- 夏の平均気温の確率、梅雨時の降水量、春から初秋までの天候の特長の予報。
- 3月10日に発表
寒候期予報
- 平均気温の確率、雪の多い少ない、秋から初春までの天候の特徴。
- 10月9日に発表
天気予報の用語の意味
一時
予報期間の1/4未満しか現われないとき
時々
- 予報期間の1/2未満に断続的に(切れ目が1時間以上)現われるとき。
- 予報期間の1/4以上1/2未満に連続的(切れ目1時間未満)に現れるとき
のち
予報期間の前半、後半で変化するとき
はじめのうち
予報期間の初めの1/4、か1/3くらいをあらわす
時刻の細分用語
(3時間おきに)午前3時まで(3時まで)、明け方(6時まで)、朝のうち(9時まで)、昼間(12時まで)、昼過ぎ(15時まで)、夕方(18時まで)、宵のうち(21時まで)、夜遅く(24時まで)。
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