週末サーファー必見!等圧線の読み方でいい波をキャッチする方法

週末サーファー必見!等圧線の読み方でいい波をキャッチする方法

このブログでは天気図とか気圧配置という言葉をよく使いますが、今回の記事はその天気図に描かれている「等圧線」に関しての記事です。

これまでも等圧線に関しての記事を書いたことあるんですが、

なんでサーファーのブログに等圧線のことばっか書いているのか?というと、この等圧線を見れば、明日の波の質やサイズをざっくり予想することが出来るからなんですね。

本記事では、等圧線の基礎から実践的な読み方、そしてサーフィンへの応用まで、詳しく解説していきます。

この記事を読んでもらえれば、

はるべえ
「天気図から風と波を予想していい波をあてる」確率を高められるはず!?

では、見ていきましょう。

目次

なぜサーファーにとって等圧線が重要なのか?

そもそもですが、等圧線とは、天気図上で気圧が同じ地点を結んだ線のことです。

みなさんが普段よく見る天気図は「地上天気図」なのですが、その地上天気図に等圧線は描かれており、通常、4hPa(ヘクトパスカル)ごとに引かれています(等圧線の間隔が広いところには2hPaの補助線が引かれることもあります)。

 

なぜサーファーにとって等圧線が重要なのか?

 

その理由をもう少し深堀すると以下のような感じです:

  1. 風の予測:
    等圧線の間隔や向きから、風の強さと方向を予想できます。風は波を作り出す主要因であり、波のコンディションに直接影響します。
  2. うねりの発生予測:
    遠く離れた海域での強い風の存在を等圧線から読み取ることで、数日後に到達するうねりを予想できます。例えば、南海上に台風があるケースなどが該当しますね。
  3. 波質の予想
    等圧線のパターンから、オフショアやオンショアといった風向きを予測し、波の質(クリーンな波か、まとまりない波か、など)を推測できます。これは沿岸部付近の等圧線を見ることで予想できます。
  4. 危険の回避:
    台風や発達した低気圧の接近を等圧線の密集具合から判断し、波の大きさや流れの強さなどを予想して危険を回避することもできます。
  5. 週間波予報の活用:
    週間天気図の等圧線を読むことで、週末の波の状況をある程度予想し、サーフトリップの計画を立てやすくなります。
  6. 季節変化の把握:
    季節ごとの典型的な等圧線パターンを知ることで、その時期に期待できるサーフポイントや波の特徴を理解できます。

等圧線を理解することは、単に波を予想するだけでなく、海洋・気象全体への理解を深めることにもつながります。

このように自然のことを知ることは、安全で楽しいサーフィンをする上では重要なことなんです。

 

等圧線の基礎知識

等圧線の基礎知識_01

等圧線について深く理解するために、まずはその基礎知識を押さえていきましょう。

等圧線の定義と役割

等圧線は、先ほど簡単に触れましたが、同じ気圧の地点を結んだ線です。通常、4hPaごとに描かれており、等圧線の間隔が広いところには2hPaの補助線が引かれることもあります。

細実線は4hPaごと太実線は20hPaごとに描かれおり、地上天気図で太実線が描かれるのは、1000hPaと1020hPaの等圧線です。

つまり細実線としては、996hPa、1004hPaといった間隔で描かれます。

少し堅苦しい言い方になりますが、等圧線の主な役割は以下のようなものがあります。

  1. 気圧配置の可視化:高気圧や低気圧の位置や強さを示します。
  2. 風の強さと方向の表現:等圧線の間隔や向きから風を読み取ることができます。
  3. 気象現象の動きの表現:前線や気圧の谷、気圧の尾根などの動きを示します。

 

天気図上での等圧線の見方

等圧線4hPa実線

いつもテレビの気象情報のコーナーでは必ずといっていいほど地上天気図が映るかと思います。

普段何気なく見ている天気図かもしれませんが、翌日に海に行く予定があるときには、以下の点に注目して見るとよいでしょう。

  1. 等圧線の間隔:狭いほど風が強く、広いほど風が弱いことを示します。
  2. 等圧線の形状:直線的か曲線的か、閉じているかどうかで高気圧や低気圧、前線などを判断します。
  3. 等圧線の向き:風は気圧の高いところから低いところに向けて吹きますが、その風の方向を示します。

 

高気圧と低気圧の等圧線パターン(北半球)

風は気圧の高いところ(高気圧)から気圧の低いところ(低気圧)に向けて吹きます。

本ブログでは、他の記事で何度も記載していますが、北半球においては、高気圧と低気圧の風の吹き方は下図のようになります。

2000px-高気圧と風向
1024px-低気圧と風向

このように高気圧と低気圧では、等圧線と風の吹き方の関係性が異なります:

📘高気圧:

  • 中心に向かって気圧が高くなります。
  • 中心から時計回りに外に向かって風が吹き出します

📕低気圧:

  • 中心に向かって気圧が低くなります。
  • 中心に向かって反時計回りに風が吹き込みます

これらの基礎知識を踏まえることで、天気図から風や波の状況をより正確に読み取ることができるようになります。

次は、これらの知識をどのようにサーフィンに活かせるのか、具体的に見ていきましょう。

 

サーフィンと等圧線の関係

サーファーにとって、等圧線を理解することは、明日の波を予想する上でとても重要です。

ここでは、等圧線とサーフィンの密接な関係について詳しく見ていきましょう。

等圧線から読み取れる風の向きと強さ

風は波を作り出す最大の要因であり、その風の特性を等圧線から読み取ることができます

📘風の強さ:

等圧線の間隔が風の強さを示します。

等圧線が密集しているほど風は強くなり、等圧線の間隔が広くなるほど風は弱くなります

ただし、どれくらいの間隔のときにこれくらいの強さの風が吹くというのは、その時々の気圧配置の状況などによっても変わってくるので、一概には表現することはできません。

 

📘風の向き:

風は気圧の高いところ(高気圧)から気圧の低いところ(低気圧)に向けて吹きます。

北半球では、風は低い方の等圧線を左に見て吹きます

地上付近では摩擦がかかるために、実際の風は等圧線を斜めに横切るように吹き、風向と等圧線のなす角度は、陸上では約35度、海上では約20度になります。

また、繰り返しになりますが、低気圧の周りでは反時計回り、高気圧の周りでは時計回りに風が吹きます。

 

実際は上記のとおり、海上でも約20度の摩擦によって等圧線を斜めに横切るように吹くのですが、サーファーが明日の風と波をざっくり予想するレベルであれば、

はるべえ
ざっくり「等圧線の流れに沿って風は吹く」と覚えてもらってもよいでしょう。

例えば、日本の東海上に高気圧がある場合、その南側では以下のように等圧線の向きに沿って東よりの風が吹き、これが夏によく見られる東~南東うねりの要因となります。

210302東西に長い高気圧

 

うねりの発生と等圧線の関係

うねりは、遠く離れた海域で発生した波が伝播してきたものです。

等圧線パターンからうねりの発生をざっくりと予想できます。

📘うねりの発生源:

等圧線が密集している海域は強風域を示し、ここがうねりの発生源となる可能性が高いです

例えば、冬季にアリューシャン低気圧が発達すると、その西側で北東うねりが発生し、日本の太平洋側に到達します。

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アリューシャンからの北東うねり

また、日本から遠く離れているところにある「台風」も同様に等圧線が密集している海域にて波が発達し、その波が「うねり」となって日本の海岸まで伝搬してきます。

 

📘うねりの向き:

うねりは風の吹く方向とほぼ同じ向きに進みます。

等圧線の向きに沿って、うねりの進行方向を予想できます。

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うねりの向き

 

📘うねりの到達時間:

うねりの速度は波の周期に依存します。

たとえば周期14秒のうねりなら、1日あたり約1,000km進みます。台風や発達した低気圧などの「うねりの発生源」からホームポイントまでの距離を考慮すれば、うねりの到達時間をざっくりと予想することもできます。

 

波の質と等圧線パターンの関連性

等圧線のパターンは、波の質にも大きく影響します。

主に沿岸部付近で吹く風向きが、波のコンディションを左右します

📘オフショア:

陸から海に向かって等圧線が傾いているとき(陸側のほうが気圧が高いとき)、陸から海へオフショアの風が吹きやすくなります。これにより波の面がきれいに整い、サーフィンに適した波の状態になります。

📘オンショア:

海から陸に向かって等圧線が傾いているとき(海側のほうが気圧が高いとき)、海から陸へオンショアの風が吹きやすくなります。これにより波面が崩れ、サーフィンには不向きなまとまりない波の状態になることが多いです。

📘サイドショア:

等圧線が海岸線にほぼ平行な場合、横から吹くサイドショアの風となります。波の質は中間的で「サイドオフ」なのか「サイドオン」なのかにもよりますけど、風の強さや向きによってはサーフィン可能なコンディションとなります。

 

はるべえ
このように、等圧線を読み解くことで、風の特性、うねりの発生と伝播、そして波の質まで予想することができます

 

これらの知識を組み合わせることで、より明日の波がイメージしやすくなり、コンディションのよいポイントへ向かうことが出来るようになります。つまり「いい波をあてる確率も高くなってくる」ということですね。

次はこの知識をさらに実践的に活用する方法を見ていきます。

 

等圧線の読み方とサーフィンへの応用

天気図を使った等圧線の読み解き方

等圧線の基本的な理解ができたところで、より実践的な等圧線の読み方とサーフィンへの応用を見ていきましょう。

等圧線の形状から予測できる波の特徴

等圧線の形状も重要な情報を提供します:

📘直線的な等圧線:

  •  安定した風向きと風速を示唆
  •  一定のうねりが続く可能性がある

たとえば夏の太平洋高気圧の縁辺部では、東西に2000㎞くらい等圧線が東西に長く伸びるケースもあり、この場合は約2000㎞に渡って東よりの風が海上で吹くことになります。つまり「東うねり」がしばらく続く可能性があるということです。

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📘曲線的な等圧線:

  • 変化しやすい風向きと風速を示唆
  • うねりの向きや大きさが変化する可能性がある

たとえば低気圧の周辺部では曲線的な等圧線が描かれることから、低気圧の動きによって風向きやうねりの向きが変化することが多いです。

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実際の天気図を使った等圧線の読み解き方

実際の天気図を使って等圧線を読み解く際は、以下のポイントに注目して見ていきましょう:

  • 大局的な気圧配置の把握:
    まず天気図を見て、高気圧と低気圧の位置関係を把握します。これにより全体的な風の流れがわかります。
  • 等圧線の間隔:
    天気図上の海上で密集している領域を見つけて強風域を特定します。ここがうねりの発生源となる可能性が高いです。
  • 等圧線の向き:
    沿岸部の等圧線の向きを見て、サーフポイント周辺の風向きを予想します。
  • 時系列での変化:
    例えば過去2日分の気圧配置の推移など、天気図を時系列で見ることで、風向きや強さの変化(これから風や波が強くなるのか?弱くなるのか?)を予想できます。これは波のコンディションの変化を予想する上で非常に重要です。
  • 地形の影響:
    等圧線から読み取れる一般風に加え、局地的な地形の影響も考慮します。例えば、山や構造物による風の遮蔽効果や、海陸風の影響などです。

具体的な例:夏の太平洋高気圧

夏によく見られる太平洋高気圧の場合を例に、等圧線の読み方を見てみましょう。

こちらは2023年8月5日 午前9時の予想気圧配置に、うねりの向きをグレーの矢印、沿岸部で吹く風を青の矢印で追記したものです。

この日は東海上の太平洋高気圧からの南東ベースのうねりと、東シナ海にある台風6号からの南西うねりが千葉・湘南エリアに反応した一日でした。

ざっくり風とうねり230804

ここでは東海上の太平洋高気圧に着目して見ていきましょう。

📘高気圧の位置:

日本の東海上に高気圧の中心があります。

📘等圧線の形状:

高気圧の南側で東西に伸びる等圧線が見られます。

📘風の予測:

等圧線に沿って東~南東の風が吹くことが予想されます。

📘うねりの予測:

東~南東のうねりが発生し、太平洋側の海岸に到達することが予想されます。

📘波のコンディション予想:

  • 太平洋高気圧からの南東ベースのうねりの反応があり、千葉エリアには十分サーフィン可能な波の反応がありそうです。
  • 沿岸部の風は南西の風が入りそうなので、南西の風をかわすポイントへ向かうのがよさそうです。

このように、等圧線を読み解くことで、

はるべえ
風向きや強さ、うねりの特性、そして波のコンディションの変化までざっくり予想することができます。

等圧線で形成される気圧配置から風と波をざっくりでも予想できるようになれば、より「いい波」をキャッチできる確率は高まるでしょう。

次は、さらに具体的な気圧配置パターンとそれに伴うサーフコンディションについて見ていきます。

 

代表的な等圧線パターンと波のコンディション

サーファーにとって重要な代表的な等圧線パターンと、それに伴う波のコンディションについて見ていきましょう。

まずは代表的な3つのパターンを理解することで、季節ごとの波の特徴を予想して、よりサーフィンを楽しむことができます。

このパターンのときは毎回このようになるとは言いきれませんが・・・、「このような風と波の特徴になるケースが多い」ことを知っておいてもらうだけで、

はるべえ
どのポイントへ向かうべきかが見えてくるかと思います!

夏の太平洋高気圧パターン

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2024年7月25日 18時 実況天気図(気象庁HPより引用)

先ほども紹介した「夏の太平洋高気圧」気圧配置パターンの風と波の特徴です。

夏の太平洋高気圧のパターンといってもいろいろありますが、今回は東海上に高気圧中心があるケースについて記載していきます。

繰り返しになりますが、こちらは「よくある風と波の傾向」を記載しているということをご承知おきください。

📘特徴:

  • 日本の東海上に高気圧の中心が位置する
  • 高気圧の南縁に沿って東西に伸びる等圧線が見られる
  • 等圧線の間隔は比較的広い

📘風と波の傾向:

  • 風向き:高気圧の南側で東~南東の風が卓越
  • 風の強さ:一般的に弱~中程度
  • うねり:安定した南東うねりが発生しやすい

📘波のコンディション(千葉エリア):

  • 朝方は陸風(オフショア)の影響で、クリーンな波が期待できることが多い
  • 日中は海風(オンショア)に変わることが多いため、朝一に入っておくのがおすすめ
  • 台風の接近がない限り、程よいサイズの波(アベレージで腰腹~胸くらい)のときが多い
  • 同じような気圧配置が続いた場合は、ミドルサイズの波が続くこともある

こちらのKindle電子書籍には「高気圧の波」に特化して、いろいろ詳しく解説しています。

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高気圧の波にのる_表紙_240206

冬の西高東低パターン

西高東低の気圧配置
2022年12月24日 9時 予想天気図(気象庁HPより引用)

冬の気圧配置といえば、「西高東低」ですよね。

真冬の朝一は氷点下の気温の中でのサーフィンとなることも多いですが、千葉・湘南エリアともにコンスタントに波はあり、西うねりや北東うねりの反応するタイミングに合わせて海に入れば、人知れずいい波を独占できる時間帯があるかも⁉

📘特徴:

  • 西(シベリア方面)に高気圧、東(太平洋上)に低気圧が位置する
  • 日本列島には南北に等圧線がかかる
  • 等圧線の間隔が狭く、特に北日本や日本海側で密集することが多い

📘風と波の傾向:

  • 風向き:全国的に北西の季節風が卓越する
  • 風の強さ:強い
  • うねり:日本海側では風浪主体、太平洋側では東海道沖で発生する西うねりが入りやすい
  • 波の質:日本海側は荒れた波、太平洋側はオフショアでクリーンな波になりやすいがエリアによっては波の反応が異なる

📘波のコンディションへの影響

– 日本海側:

  • 強いオンショアで荒れた波となることが多い
  • サイズは大きいが、まとまりない波でサーフィンできるポイントは限られる
  • 冬型の気圧配置が緩んだタイミングでコンディションが整うことが多い

– 太平洋側:

  • 東海道沖から西うねりが入りやすく、オフショアとなることが多い
  • アリューシャン低気圧からの周期の長い北東うねりが反応する場合もある
  • 西うねりや北東うねりでサイズがあれば、千葉や湘南エリアではクリーンないい波が期待できる
  • 西日本の太平洋側はオフショアで波は抑えられて、フラットな日が続くことも多い

 

台風接近時の等圧線パターン

ざっくり風とうねり220916

夏から秋にかけては、多くのサーファーが台風からの周期の長いうねりが反応するのを心待ちにしています。

特に普段は波がブレイクしないポイントに台風からのうねりが入ったときには、極上の波がブレイクすることも多く、台風からのうねりが到達するタイミングに合わせて仕事を休む方も多いとか?

ただし台風の波を楽しめるのは、一定以上の技量を持ったサーファーのみ。

技量にあったポイント選びをしないと、事故や怪我にも繋がるリスクも高いということだけは、常に認識しておきたいですね。

📘特徴:

  • 同心円状の非常に密な等圧線が特徴的
  • 中心に向かって気圧が急激に低下し反時計回りに風が吹き込む
  • 台風は太平洋高気圧の縁辺に沿って移動することが多い

📘風と波の傾向:

  • 風向き:台風の進路によって大きく変化(反時計回りの循環)
  • 風の強さ:非常に強い
  • うねり:台風の進路に応じて、南西、南、南東、東などからの強いうねりが発生
  • 波の質:沿岸部の風向きとうねりの向き、ポイントの位置と向きの関係で大きく変化

📘波のコンディションへの影響

  • 台風の位置と進路によって、波のコンディションが劇的に変化する
  • 台風の接近前:うねりが先行して到達し、沿岸部の風が弱ければいい波が期待できることがある
  • 台風の最接近時:多くのポイントでクローズアウトとなり大荒れ、サーフィンは控えるべき
  • 台風通過後:風向きが変わり波も落ち着いてきて、再び良いコンディションになることがある

ここまで代表的な3つの気圧配置パターンの特徴と波のコンディションへの影響について記載してきました。

これらの代表的なパターンを理解し、実際の天気図と照らし合わせることで、ざっくりと風と波をイメージできるようになるでしょう。

ただし、台風からのうねりが入ってきているときは、安全面には常に留意し、無理をせず、自身の経験と技量に応じたポイント選びや、海に入ることをやめておく判断をすることも大切です。

 

等圧線を活用した週末のサーフィン

等圧線の読み方を理解したところで、この知識を具体的にどのように週末のサーフィンに活かせるのかを見ていきましょう。

週末の波をざっくりとイメージする方法

週末の波をイメージするといっても、月曜日にイメージするのと直前の金曜日にイメージするのでは情報の扱い方が異なります。

まだ週のはじめだけど、既に次の週末のサーフィンが楽しみで仕方がないというのであれば、週間予想天気図を見て次の土曜日の気圧配置がどんな感じになりそうなのかを見てみるとよいでしょう。

ただし月曜の時点では、土曜日の予想は大きく変わる可能性が高いので、やはり直前の金曜日の実況/予想天気図を見てイメージするのがよいでしょう。

こちらのKindle電子書籍にサーファー向けの天気図の見方をまとめてありますので、あわせてご覧ください。

こちらのKindle電子書籍には「波をイメージするための天気図の見方」について、いろいろ詳しく解説しています。

いい波にのるために(6):波をよむための天気図の見方
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波をよむための天気図の見方

等圧線情報の入手方法と活用のコツ

等圧線の情報と記載してますが、気圧配置が掲載されている天気図がその情報源となりますが、最近では便利なアプリや詳しい波情報サイトもあるので、それらも活用しながら見ていくとよいでしょう。

1. 情報源:

  • 気象庁: まずは気象庁の天気図を見るのが基本ですね。
    https://www.jma.go.jp/bosai/weather_map/
  • 波情報のサイト: 有料ですが波情報のサイトではかなり詳しく解説/予想してくれてます。
    個人的にはライブカメラの多さと週間波予想の詳しさでBCMがおススメです。
    https://www.bcm-surfpatrol.com/
  • スマートフォンアプリ: やはりWindyはスマホに入れておくとよいでしょう。
    https://www.windy.com/

2. 複数の情報源を比較:

上記に挙げたように、今では様々な情報源から情報を入手できる環境になっているので、これら複数の情報源を比較してみるとよいでしょう。

天気図やWindyの情報をみて、波情報のサイトで予想されている波のコンディションとの整合性や、なぜこの予想がされているのかの裏付けをしてみるとより理解が深まるはずです。

  • 単一の情報源だけでなく、複数の情報源を比較してみるとよいでしょう。
  • 特に台風情報は、予想モデルによって進路が大きく異なることも多いです。
  • 予報間に差がある場合は、より保守的な予報を採用するのが安全です。

3. 定期的なチェック:

  • 毎日同じ時間に天気図をチェックする習慣をつけましょう。
  • 海に行く前日の夕方には、翌朝9時の予想天気図を必ずチェック。
  • 当日海に出発する前にもWindyや最新の天気図を必ずチェックして、どのエリア/ポイントに向かうかを決めましょう。

4. 現地情報との答え合わせ:

  • 気圧配置/等圧線からの予想と、現地のコンディションの答え合わせをしましょう。
  • 海に行けないときは、現地のライブカメラやSNSの情報と照らし合わせてみるとよいでしょう。
  • 予想と差異がある場合は、その原因を考えることで経験値になり今後の予想にもつながります。

5. 経験を蓄積:

  • 予想と実際の波の状況を記録して振り返る習慣をつけれるといいのですが、なかなかそこまでやる人はいませんよね・・・。
  • ボクの場合は、ブログに毎日更新したことで、かなり経験値を増やすことができました。

 

このように天気図から読み取れる等圧線を活用した風と波の予想は、単にいい波を当てるだけでなく、サーフィンそのものをより深く楽しむことにつながります。

風と波、空と海の動きを理解し、自然と一体となって波に乗る喜びは、サーフィンの醍醐味の一つですよね。

 

波予想に関する注意点と補足情報

等圧線の読み方とその応用について学んできましたが、いくつかの注意点と補足情報を押さえておきましょう。

等圧線だけでは判断できない要素

等圧線から風と波をイメージすることをツラツラと記載してきましたが、自然はそんな単純なものではなく、様々な変数が複雑に絡み合っています。

当然ながら等圧線を見ただけでは、波のコンディションの全てを予想することはできません。

ここでは等圧線だけで判断できない要素をいくつか取り上げてみます。

1. 海底地形の影響:

海底がリーフのポイントであれば地形は変わらないのである程度は予想はできますが、海底が砂のポイントは日々砂の移動が発生することから、その時々の海底の地形に波は大きく左右されます。

ポイントによっても砂の付き方は異なりますし、雨の降り方や海に流れる川の水量などによっても砂は大きく動きます。

この砂の付き方だけは、なかなか予想できるものではなく、日々その変化を観察することくらいしかできません。ここが難しいところですよね・・・。

  • 同じうねりでも、海底の形状によって波のコンディションは大きく変わります。
  • 岩礁、砂州、水深の変化などは、等圧線からは読み取れません。

2. 潮汐の影響:

潮の満ち引きは波のコンディションに大きく影響します。

こちらのKindle電子書籍にて、詳しく解説しています。

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kindle_1600x2560(枠あり)_5

3. 沿岸流や離岸流:

  • 強いうねりが入る場合、危険な沿岸流や離岸流が発生することがあります。
  • これらは等圧線からは直接読み取れないため、現地のコンディションをよく確認する必要があります。

 

地形や地域特性の考慮の必要性

サーフポイントの周辺の環境によっても、波のコンディションは大きく変わります。

ここでは影響がありそうな要素について、いくつか紹介しておきます。

1. 山や崖の影響:

  • 海岸近くに山や崖がある場合、風向きが局所的に変化することがあります。
  • 例えば、一般風が陸風でも、地形の影響で海風になるケースもあります。
  • それほど高くない山でも、風の影響を軽減する役目をすることもあります。

2. 半島や岬の影響:

  • 突き出た地形の周辺では、うねりが屈折したり集中したりします。
  • これにより、予想外の大きな波が発生する可能性もあります。
  • 地形とうねりの方向により、左右どちらかの方向に規則的にブレイクするポイントもあります。

3. 湾の形状:

  • 湾の形や向きによって、うねりの入り方が大きく異なります。
  • 例えば相模湾は東側に房総半島があるため、東うねりには反応しにくい特徴があります。
  • 逆に千葉北や茨城の東向きのポイントでは、西うねりには反応しにくいです。

4. 地域特有の風:

  • 局地的な強風など、地域特有の現象がある場合があります。
  • これらは一般的な等圧線の解釈だけでは予測が難しいことがあります。

 

まとめ:等圧線を読んでいい波をあてる!

サーフィンは自然とともにあるからこそ、海に行くたびに違う波、違うコンディションとの出会いが魅力なんだと思います。

本記事では、等圧線の読み方や天気図から風と波を見つける方法をいろいろ紹介しました。

これらの知識があれば、これからのサーフィンライフにおいて「いい波」に当たる可能性を少なからず高められるはずです。

はるべえ
でも覚えておいてほしいのは、自然はいつも一筋縄ではいかないということ

この記事で記載した内容はあくまでヒントであり、海の状況はそのときどきで変わるということは常に意識しておいて欲しいところです。

 

だからこそ、知識を活かしつつも、海に入って実際に経験を積んでいくことが大事です。

天気図を眺め、等圧線から風と波の動きを想像し、それが実際にどんな波になっているかを自分の目で確かめる。

そんな繰り返しが、あなたのサーフィンライフをもっと楽しくしてくれるでしょう。

 

自然の波を相手にするサーフィンだからこそ、無理せず、いい波を探し続ける楽しみを大切にしていきたいですね。

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