波が続いたときの気圧配置

波が続いたときの気圧配置~東うねりが2週間続いた2021年3月の波

年間を通してサーフィンしていると
当然ですけど波があるときとないとき
あります。

地形的にあらゆる方向から
広範囲にうねりの反応があり
波の豊富な千葉エリアでも

波がない日が続くこともあれば
波がある日が続くこともあります。

今回記事にしたのは
2021年3月上旬に東うねりが
2週間ほど続いた
ときの
気圧配置と波の状況についてです。

この期間の気圧配置の推移と特徴、
どんな風と波になっていたのか?

本ブログの毎日の記事を用いて
解説していきたいと思います。

気圧配置の推移と特徴

波が続くパターンとは?

日本付近では目まぐるしく
高気圧や低気圧、前線が西から東へと
移動していることはご存じかと思います。

高気圧に覆われたあとは
高気圧の後面になって次第に気圧の谷
へと差し掛かり天気は下り坂へ

低気圧が通過したあとは再び
高気圧が西からやってくる・・・

 

みたいな感じで
毎日次々と気圧配置は変化しており
全く同じ気圧配置になるということは
ありません。

よって日々風向きも変化
波・うねりの向きも常に変化しており
波のコンディションも刻々と
変化しています。

ただ今回の事例のように
波に関して見てみると
同じ向きからのうねりが続く場合が
たまにあります。

代表的なパターンとしては
以下が挙げられます

はるべえ
  • 台風の動きが遅く
    同じようなエリアで
    台風が停滞気味なとき
  • 偏西風が南北に大きく
    蛇行して
    ブロッキングが発生
    しているとき
  • 高気圧が次々と通過し
    高気圧の帯が形成されて
    いるとき

今回紹介するパターンは
上記でいうと3番目の
高気圧が次々とやってくる
パターン
に属します。

それでは具体的に
どんな気圧配置で波が続いたのかを
もう少し詳しく見ていきます。

高気圧からの吹き出しによる東うねり

高気圧からの吹き出しに関しては
以前に別のこちらの記事で
どんな波になるのかを少し詳しく
記載しました。

参考記事)【高気圧からの吹き出し】気圧配置と天気図パターンによる波のコンディション

関連記事

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高気圧からの吹き出し2

この記事の中でも
太平洋側に約2週間ほど波が続いた
ときのケースを紹介しています
(2019年5月14日~28日)

この時も今回紹介するパターンと
同じような感じで、
東海上の高気圧からの吹き出しによる
南東うねりがしばらく続きました。

今回紹介する2021年3月上旬
続いた波も、

東海上の高気圧から東うねり
しばらく続きました

この東うねりが続いた期間の
天気図は以下の流れとなります。

(気象庁HP:過去の天気図:https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/wxchart/quickmonthly.html 
から当該期間の天気図のみ引用)

2021年3月上旬の気圧配置_1

2021年3月上旬の気圧配置_2

この天気図の流れは
日本付近の気圧配置のみしか
描かれてないので

はるか東海上の高気圧が
見え隠れしているような感じ
ですけど、

東海上には東西に長い高気圧
描かれている日が多く、

今回のパターンも東海上の
高気圧からの吹き出しによる波
であることがわかるかと思います

気圧配置の特徴は?

2019年5月の事例と同じく
今回2021年3月も東海上の高気圧
からの吹き出しによる波
であることがわかりました。

では、この一連の気圧配置の推移から
どんな特徴があるのかを挙げてみます。

高気圧の勢力が強い

実況天気図

東海上の高気圧の中心気圧が高い
ときが多いのがまず1つめの特徴。

中心気圧は1030hPa~1040hPaくらい
で解析されているときが多く
高気圧としては等圧線の数が多く
間隔も狭くなっています。

上記の天気図は3月3日午前3時
気圧配置です

はるか東海上の高気圧の中心気圧は
なんと1044hPa

東海上にある高気圧としては
かなり勢力の強い高気圧となります。

高気圧が東西に長い

210302東西に長い高気圧

東海上の高気圧の形が東西に
横長の楕円形のようになっている

というのも特徴の1つです。

上記の天気図は2021年3月2日のもの
ですが、

見てわかるように
東海上にある高気圧は東西にかなり
長い高気圧で、

東の風が吹いているエリア
おそらく3,000km以上にも
及んでいたのではないかと
思います。

まずこの2つの特徴で、
波が発達する以下条件を
満たすことになります

はるべえ

風が強くて、
長い時間・
長い距離を吹くと
波は大きくなる

参考記事)いい波に乗るために~波をつくるための風

関連記事

/サーファーはいつも風を気にしています\はるべえはるべえ@サーフィン大好きな気象予報士です。そうなんですサーファーはいつも風を気にしているんですよね海に行く前日はもとより平日の[…]

波をつくるための風

高気圧の中心が北緯40度に近いところにある

2019年5月のときも今回2021年3月のときも
東海上にあるときの高気圧中心は
緯度では関東よりも北に位置しており、

太平洋側には東うねりが入りやすい
高気圧の位置
でした。

こちらは3月1日~8日までの
天気図に風の流れをざっくり
追記したものです。

210301過去の気圧配置-1

また日本付近を東進する高気圧は
関東よりも北側を通過していったことで
高気圧通過時にも東~北東の波が
続きやすい状況にもなり、

東うねりが抑えられることなく
継続して反応しやすい気圧の推移と
なりました。

こちら同じく3月9日~16日までの
天気図に風の流れをざっくり
追記したものですが、

東うねりが続いた3月1日~13日あたり
までは、

東うねりをもたらす高気圧の位置は
北緯40度線に近いところに
あることが多かったんですけど、

東うねりが弱まった3月15日からは
高気圧中心は40度線よりもだいぶ
南にあることがわかります。

210301過去の気圧配置-2

2週間ほど続いた東うねり

それではここからは
毎日の天気図とブログ記事から
この2週間の様子を振り返って
みます。

2021年2月28日

東うねり1週間

ブログ記事で東うねりについて
記載しはじめたのが2月28日からでした。


東からの波が続きそうな1週間~風と潮回りでポイント選び【2021.2.28】
https://asasfsas24.com/20210228/wave-18133/

この日の予想気圧配置から
東海上の高気圧からのうねりが
続くパターンになりそうな
状況であったことから

翌日からは東うねりの反応
や動向を中心にチェック

するようになってきます。

2021年3月1日

実況天気図

東海上の高気圧が楕円形となって
東西に長い高気圧となってきてました。

高気圧からの東うねりが反応し
千葉はミドルサイズの波が反応
してきます

ただ高気圧の後面で南風
入ってきていたので
一宮周辺や千歳・千倉、茨城の鹿嶋
では十分遊べるコンディション

湘南は東うねりだと反応が鈍く
この日は小ぶりなサイズのままでした。


東海上の高気圧からの東うねりと南風~大潮回りでいい波の時間帯がありそう【2021.3.1】
https://asasfsas24.com/20210301/wave-18147/

2021年3月2日

実況天気図

この日も発達しながら移動してくる
低気圧へ吹き込む南風がかなり強く
春の嵐に。

強い南風でジャンクなポイント
多くなりましたが、

低気圧の影響がまだない午前中
南風かわす一宮周辺や鹿嶋では、

東うねりが反応して十分できる
波がありましたが
午後は更に風が強くなってきて
しまいました。


春の嵐による南風の強風で大荒れ~今日はサーフィンお休みで良さそう【2021.3.2】
https://asasfsas24.com/20210302/wave-18160/

2021年3月3日

実況天気図

春の嵐をもたらした低気圧は通過し
北風に変わって波がまとまってくる日です。

低気圧への南の風波でサイズアップし
はるか東海上の高気圧からの
東うねりの反応も続きます

強い北寄りの風によって
湘南はサイズ残ってまとまって
午前中はいい波が入ってきてました!

この日は東うねりというよりも
低気圧が残した南からの風波が
北風によってまとまってきた
低気圧通過の波のパターンです。


強い北風で波はまとまってきました~北東の風かわすポイントへ【2021.3.3】
https://asasfsas24.com/20210303/wave-18172/

2021年3月4日

実況天気図

はるか東海上の高気圧からの
東うねりが千葉エリアには反応
続いており、

新たに東進してきた高気圧
からの吹き出しによる
北東~東の風が入りやすい一日。

千葉は北東の風をかわす
ポイントでは十分に遊べる
コンディション

湘南も東~南東うねりが
少し反応し、小ぶりながらも
出来る波はありました。

南東うねりが入ってくると
湘南でも小ぶりながら
できる波が入ってきます。


吹走距離の長い高気圧からの東うねりがしばらく続きそう【2021.3.4】
https://asasfsas24.com/20210304/wave-18184/

 

2021年3月5日

実況天気図

この日も東海上の高気圧からの
東うねりが十分なサイズで入ってきていました

千葉は東~北東の風も入りやすいので
千葉北だと片貝エリア、千葉南だと鴨川
中心にして十分サーフィン可能な波。

少しサイズ大きいなというサーファーは
飯岡周辺や御宿・部原などでも
遊べる波
が入ってきていました。


東うねりが十分なサイズで続きます、風と潮に合わせて行動しましょう【2021.3.5】
https://asasfsas24.com/20210305/wave-18195/

 

2021年3月6日

実況天気図

はるか東海上の高気圧の中心は
西経のエリアにありますけど、
そこから長い舌のようにべろ~んっと
日本の東海上まで等圧線が伸びています

この日も千葉エリアは頭サイズ
セットが入ってきていて
朝は風も弱く

多くのポイントで
十分サーフィン楽しめる波
でした。


今週末も東うねりでサイズ十分~来週も波がある日がまだまだ続きそう【2021.3.6】
https://asasfsas24.com/20210306/wave-18211/

2021年3月7日

実況天気図

はるか東海上の高気圧からの
東うねりが続いている状況ですが、

西からはまた東西に長い高気圧が
関東地方よりも北のエリアを東へ
進んできます

この日の風の流れはこんな感じ
北東の風が強い一日でしたが、

210307高気圧前面

片貝、鴨川、飯岡、御宿、平砂浦などの
風をかわすポイント
では
サーフィン可能なコンディションでした。

新たに覆ってきた高気圧からの
北東ベースの風波も混じり
サイズは十分な状態が続きます。


北東の強い風が一日続く日曜日~東うねり+北東の風波が反応【2021.3.7】
https://asasfsas24.com/20210307/wave-18225/

2021年3月8日

実況天気図

はるか東海上の高気圧からの
東うねりは弱まってきましたが、

新たに北から覆ってきた高気圧からの
東うねりが入りはじめてきます。

こんな感じで、
高気圧が北に偏った位置で次々と
やってくると

東うねりは途切れずに
サイズのある状態をキープ
します。

 

朝一は北西の風
昼までに北東の風
というパターン
が多くなり、、

風向きに合わせてポイント選べば
まだまだ楽しめる波が続いていました。


今週も東うねりが続きそう~風と潮の動きに合わせて行動したい【2021.3.8】
https://asasfsas24.com/20210308/wave-18238/

2021年3月9日

実況天気図

高気圧が東西に長く連なった状態となり
東うねりはまだまだ続きます。

北東の風の影響を受けやすい日が
続きますけど、
風を軽減するポイントや時間帯で入れば
サーフィン楽しめるコンディションです


海へと抜けていく川の流れ~雨によって地形がだんだんと変化していく【2021.3.9】
https://asasfsas24.com/20210309/wave-18251/

2021年3月10日

実況天気図

この日も東うねりはまだまだ続き
朝の千葉エリアは北西のオフショア
吹いて、

各地で朝一はミドルサイズの
いい波
が入ってきていました。

東うねりが続く期間は北東の風が
吹く日も多くなりますが、

この日のように朝一は北西の風が
吹いたり、風の弱い時間帯もある
ので
タイミングよく海に入れば
十分楽しめる波があります。


東うねりと北西の風で千葉の朝一はミドルサイズのファンウェイブ【2021.3.10】
https://asasfsas24.com/20210310/wave-18264/

2021年3月11日

実況天気図

東日本大震災から10年が経過したこの日も
千葉エリアには東うねりが続きました。

この日も朝は北西の風
次第に東~南東の風へとシフト。

やはり朝一のタイミングで
入るのがコンディションとしては
無難な時間帯でした

ただしはるか東海上の高気圧の
西には発達した低気圧があって
東うねりとは逆向きの風が強めに
吹く海上エリアが出来てきます。

次第に東うねりは抑えられていく
傾向
になることがわかる
気圧配置です。


震災から10年~海からの避難行動を予め想定しておきたい【2021.3.11】
https://asasfsas24.com/20210311/wave-18275/

2021年3月12日

実況天気図

高気圧が丸くなってきて
すぐ近くの東海上に位置するように
なってきました。

そしてはるか東海上の高気圧も
南北に長い縦長の等圧線になってきており
東うねりを打ち消す低気圧の流れ
続いています。

はるか東海上の高気圧からの東うねりは
ほとんど反応しなくなってきそうであり

東うねりは弱まってくる傾向ですが、
まだ千葉エリアでは腰腹~胸くらい
遊べるサイズの波が続きます。

この日は高気圧から南寄りの風
入ってきたことで、

一宮周辺や千歳・千倉、鹿嶋エリアでは
コンディションが良くなってきていました


高気圧の後面で朝から南風の千葉エリア、東うねりはサイズダウン傾向・・・【2021.3.12】
https://asasfsas24.com/20210312/wave-18295/

2021年3月13日

実況天気図

発達中の低気圧が接近してきて
大荒れの土曜日となりました。

この日には高気圧からの東うねり
というよりも

低気圧へ吹き込む南東の風による
風波のほうが卓越してきます。

しばらく続いた
東海上の高気圧からの東うねりは
なくなってきて

この春の嵐を境に気圧系の動きは
次のステージへと進んでいきます。


土砂降りと雷注意で大荒れな土曜日、明日の西うねりに期待したい【2021.3.13】
https://asasfsas24.com/20210313/wave-18309/

2021年3月14日

実況天気図

この日は低気圧が通過したあとに
一時的に冬型の気圧配置のようになり
久しぶりに東海沖からの西うねり
反応も見られました。

低気圧が残した南からの風波と
東海沖からの西うねりで
この日は湘南と千葉北では
いい波が入った日曜日でした。


千葉・湘南はいい波入ってます!レベルに合わせてサーフィン楽しい日曜日【2021.3.14】
https://asasfsas24.com/20210314/wave-18322/

まとめ:波が続いたときの気圧配置

2週間ほど波が続いたときの
気圧配置の推移と風と波の様子
見てきました。

 

日本付近の気圧配置によって
風向きと風の強さは日々変わりますけど、

東海上にある高気圧からの
東うねりが続くパターンに入った
ときには、

北東の風が入りやすい日が多くなる
傾向にありますので、

千葉エリアでは片貝や鴨川から
チェックしていくと、
いい波をあてる確率も高くなって
くるかもしれませんね。

こんなに波がある状態が長く続く
ことは頻繁にはないのですが、

日々の天気図や週間予想気圧配置を
よく見ておくと、

波がある日が続きそうだな?
という感覚が、”何となく” わかって
くるはずです。

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