2019年台風5号(T1905)~太平洋側には南西うねりのいい波がブレイク

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 週末土日に合わせて南西うねりのいい波!

台風経路図(気象庁HPより引用)

フィリピンの東海上で発生した台風5は東シナ海を北北東へ進み、黄海から朝鮮半島を横断して日本海に抜けていきました。

台風のコース的には私の好きな南西うねりが反応するコースです。

今回の台風5号はちょうど週末サーファーに合わせるかのように、土曜日の朝一からサイズアップして日曜の夕方までうねりが続きました。

この記事では、台風5号の発生から消滅までの気圧配置と波情報の記事に記載した内容をベースに、台風の推移と波の状況についてまとめておきます。よって、表現はその日をベースにした表現のままにしています。

同じようなコースをたどる台風が発生したときにも、サイズアップのタイミングやうねりの向きなど参考になるかと思います。

2019年7月16日 午前3時 地上天気図

2019年7月16日 午前3時 地上天気図

フィリピンの東海上には熱帯低気圧があり今朝は天気図上でも解析されています。

まだ勢力は弱く台風まで昇格してないですが、これから今日のうちにはTSに昇格しそう。

台風5号が発生しました(7月16日 午後6時)

台風5号が16日の夕方18時に発生しました。

フィリピンの東海上から台湾を指向していく見込みです。

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2019年7月17日 午前3時 地上天気図

2019年7月17日 午前3時 地上天気図

昨日発生した台風5号は午前6時の時点では994hpa

西へ進んでおりこれから北に進路を変えて東シナ海から黄海にむけて北上していく現時点での予報です

台風本体としてはさほど発達はしないものの、南海上の梅雨前線に大量の水蒸気を送り込むことで前線の活動が活発になってきそうです。

西日本では特にこの前線による大雨に警戒が必要、梅雨末期となるこの時期には災害が発生することも多くなりますので、台風とともに梅雨前線の活動にもご注意下さい。

7月17日(水) 午前6時 予想進路図

7月17日(水) 午後6時 予想進路図

2019年7月18日 午前3時 地上天気図

2019年7月18日 午前3時 地上天気図

大型の台風5号は6時時点で沖縄の南にあって北に向かっています

中心気圧は990hPa、中心付近の最大風速は20m/sで、風速15m/s以上の強風域は中心から全域で650kmです。

7月18日(木) 午前6時 予想進路図

当初の予想進路よりも東を進むコースが予想されており、土曜日の3時には東シナ海、日曜の3時には対馬海峡から日本海へ抜けていくコース。

衛星画像を見ると台風の目は見えてないですけど、発達した雲域が中心にまとまってきているのがわかります。

西日本の太平洋側では今日から台風5号のうねりの反応が出てきそう。後半にはサイズアップの変化が見られそうです。

7月18日(木) 午後6時 予想進路図

この日の夕方から西日本の南向きのポイントとなる磯ノ浦でも台風5号からのうねりが反応をはじめました。

四国の内妻もサイズアップしているようです。

2019年7月19日 午前3時 地上天気図

2019年7月19日 午前3時 地上天気図

台風5号は東シナ海を北上しています。

今朝の6時時点の情報では、中心気圧は985hpaで北に20km毎時で進んでおり、朝鮮半島から日本海へ抜けていくコースが予想されています。

台風の接近に伴い、昨日から九州北部から山陰地方では大雨が続いており、また近畿から東海にかけても雨雲が広がっています。

台風に近い南西諸島と梅雨前線に近い西日本では今日は大雨に注意が必要です。

今朝は伊良湖から御前崎までも頭くらいのセットが入るようになってきている模様、
twitter情報では伊豆の多々戸も胸くらいのサイズになってきていて、午後にかけて更にサイズアップしてきそうです。

ただ梅雨前線の南側となり高気圧縁辺からの南西の風が入りやすい気圧配置。

7月19日(金) 午前6時 予想進路図

千葉と湘南にはまだ台風5号からのうねりは届いておらず

まだ東海上にある高気圧からの吹き出しによる東から南東ベースのうねりです。

7月19日(金) 午後8時 石廊崎 波浪観測データ

20時になっても湘南は台風からのうねりの反応はなく、サイズアップしていない模様。

西日本の各ポイントから御前崎までは台風のうねりがしっかりと入っていたのですが、19日の夕方までに湘南には台風5号からのうねりの反応は目立ったものはありませんでした。

7月20日(土) 午前1時 石廊崎 波浪観測データ

夜中1時になり波浪観測で少し反応してきました!

午前1時過ぎに石廊崎の波浪観測をみたところ波高と周期に変化が見られており、twitterからの情報でも朝一から湘南にはサイズアップした波が入っている情報が入ってきていました

石廊崎の波浪観測では周期の長いのが入ってきてます。

午前1時のデータでは、波高1.6m、周期11.2

2019年7月20日 午前9時 地上天気図

2019年7月20日 午前9時 地上天気図

南西うねりが反応して胸肩のグッドコンディション

夜明け前に千葉南エリアの某ポイントに到着

うっすらホワイトウォーターが見えてブレイクしているポイントで午前4時半に入水。

最初は西から南西の風で面がざわつきながらも腹胸くらいのセットに乗れる波でしたが、7時くらいから風は弱まりほぼ無風に

面はまとまり更に潮が引いてきたこととうねりが少し強まったこともあり、胸肩サイズのクリーンなブレイクを堪能

波がかなり良かったので結局海から上がったのは9時半頃

5時間くらいぶっとおしで入ってしまい、おっさんサーファーはかなりヘトヘトで脚もガクガク&お腹もペコペコ。

だけどそれくらいの今日はいい感じの波が入ってきていて、十分楽しめた土曜日となりました。
かなりヘトヘトゆえに画像や動画はありません。

7月20日(土)午前05時 関東地方 アメダス 風向風速データ

朝一は南西よりの風で面がザワついてまとまりはイマイチでしたけど、次第に無風になりクリーンなフェイスでまとまってきました。

7月20日(土) 正午 予想進路図

大型の台風5号は昼の12時時点では中心気圧を985hPa、黄海を北東へ進み朝鮮半島に上陸しようとしているところです。

7月20日(土) 午後6時 石廊崎 波浪観測データ

石廊崎の波浪観測も午前1時の時点ではまだ1.6mでしたが次第に2mの波高も観測されるようになり、湘南も昼前からサイズアップしてきていました

2019年7月21日 午前3時 地上天気図

2019年7月21日 午前3時 地上天気図

台風5号からのうねりは落ち着き傾向ながらも続いており、四国の内妻や和歌山の磯ノ浦でもまだ腹胸くらいのサイズがのこり遊べそうなコンディション。

伊良湖から御前崎までの東海エリアにも胸肩から頭サイズが反応し、御前崎は今日もなかなかのいい波が入っているようです。

湘南も今朝は波は残って朝一から十分楽しめる波

千葉の平砂浦にも胸肩から頭サイズの波が残っていて、この週末は台風5号からのうねりでだいぶ楽しめる週末になったかと思います。

7月21日(日) 午前7時 石廊崎 波浪観測データ

千葉南エリアには台風5号からの南西うねりに反応していて、鴨川から平砂浦までアベレージ胸肩くらいのサイズ感で、今日も十分に楽しめるコンディションです。
南西うねりをダイレクトにうける平砂浦は頭サイズのセットがまだ入ってきているようです。

湘南も今朝は朝一から台風からのうねりが残っていい感じからのスタート。
風の影響も少なくて、湘南エリアは腹胸から肩くらいのサイズがのこり、十分に楽しめるコンディション。

7月21日(日) 午前6時 予想進路図

台風5号は朝鮮半島を横断しており、まもなく日本海に抜けていく見込みです。

台風としての構造はギリギリ維持してますが、日本海に抜けたあとは温帯低気圧となって沿海州方向へ向かう予想となっています。

まとめ

  • フィリピンの東から北上して東シナ海を北上のコース。太平洋側には南西うねりが反応
  • 18日の夕方には石垣島の北の東シナ海に中心があり、この日の夕方から西日本の南向きポイントとなる四国の内妻と和歌山の磯ノ浦にてサイズアップしてきた
  • 19日の朝には北緯28度付近の東シナ海を北上中、伊良湖から御前崎にかけても朝一から頭サイズのうねりの反応がでる。南向きのポイントとなる伊豆の多々戸も胸くらいのサイズが反応。
  • 石廊崎の波浪観測、19日は周期10秒前後+波高は1.5m以下で、結局19日中には千葉と湘南には台風からのうねりは反応せず
  • 20日午前0時から周期11秒以上+波高1.6m以上がコンスタントに観測される
  • 20日午前5時には湘南に南西うねりが反応、鵠沼で胸肩から頭、由比ヶ浜でも胸肩サイズまでサイズアップ。千葉南エリアも肩から頭サイズまでアップしてポイント選べば十分いいコンディション
  • 21日午前中まで周期10秒以上+波高1.5m以上の波が観測、午後には周期も10秒以下で波高も1.5mを下回る状況へと推移
  • 21日は西日本の南向きポイントでも腹胸サイズが残り、伊良湖から御前崎までも胸肩サイズのいい波がブレイクしていた模様
  • 21日の千葉南エリアでは平砂浦では頭サイズ、鴨川から千倉までも胸肩サイズが反応。湘南も腹胸サイズが夕方まで続き、土日通して十分にいい波がキープされた。

今回は御前崎が反応してから20時間後くらいに湘南がサイズアップ、反応が遅いパターンだったかと思います。

このサイズアップのタイミングなどは、その時々の気圧配置や潮回り、台風の強さや位置などにより異なるため予想するのは難しいです。

1つのプロファイルとして覚えとくと今後の東シナ海北上パターンのときに活用できるかもしれません。

週末に合わせてうねりが反応し、太平洋側では各地でファンコンディションをもたらしてくれた台風でした。

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