潮の満ち干き

いい波に乗るために~潮の満ち干き・潮回りの仕組みを知っておく

週末サーファーがいい波に乗るために。
今回は「潮回り」に関する記事です!

前回の記事では、
サーフィンをするときには
潮の状況をよく知っておく必要がある
いう内容を記載しました。

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今回は「潮回り」に関する記事です。波に乗るためには気象だけでなく潮汐にも注目することが必要です。波が崩れることは水深と大きく関係しており、潮の満ち引きによって海の水かさが増減し、波の崩れるエリアの[…]

いい波に乗るために潮回りに合わせて海に入る

今回はそもそも
「潮の満ち干き/潮回りはどうして起こるのか」
についてを記載していこうと思います。

既にいろいろなサイトにて
潮汐のメカニズムについては
詳しく記載されているので、

ここではあまり深掘りせずに
サーファーならこれくらい
知っておけばいいかな
くらいの内容にしたいと思います

太陽と地球と月の位置関係により、
サーファーにとって非常に関係のある
潮回り」がどのように
変化していくのか?

はるべえ
この仕組みを知っているだけでも、
いい波にのれる確率は
だいぶ上がるといっても
過言ではありません。

ぜひこちら読んでいただき、
海に行く前日の夜には
空を見上げて月の形をチェックして
もらえればと思います。

潮汐とは何か?

海面が周期的に変化する現象

引用:気象庁HP http://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/db/tide/suisan/suisan.php

海洋の水位は
1日に2回ずつ
水位があがったり
下がったりします

これはサーファーでなくても
普通に知られていること
だと思ってますが、

まずこの潮汐について
少し記載していこうと思います。

まず、
先ほど記載したように
海の推移は1日に2回あがったり
さがったりしているのですが、

この海面の高さ(水位)が
周期的に変化する現象を
潮汐といいます。

そして、

海水面が高くなったときを満潮
低くなったときを干潮

といいます。

起潮力が潮汐を引き起こす

ではなんで
こんな1日に2回も海面が高くなったり
低くなったりするのでしょうか?

はるべえ
潮汐を引き起こす力は
起潮力」と言います。

この起潮力は
地球と月の関係で起こる力であり、
潮の満ち引きは月によって引き起こされます。

以下、
気象庁のHPに起潮力についての
イラストがありますので、
そこから引用して掲載します。

引用:気象庁HP http://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/db/tide/knowledge/tide/choseki.html

上のイラストにあるように、
月が真上にある地域では
月の引力により海面が月に
引き寄せられます。

一方、
月とは反対側の地球の裏側の地域では、
地球の自転による遠心力で
海面には外向きの力が働きます。

こんな2つの力が働くことによって、
地球上の海面は

ちょうどラグビーボールの
ような形になって、

海面が高い地域と
海面が低い地域の2つができる

ことになります。

そしてこの海面が高い2つの地域

  • 月が真上にある地域
  • 遠心力がかかる裏側の地域

では「満潮」となり、

逆に海面が低くなる
2つの地域では「干潮」となります。

冒頭に
満潮と干潮は1日に2回ずつある
と記載しましたが、

その仕組みは先ほどの図の下段の
イラスト見てもらえれば
わかると思いますが、

地球自身が1日1回自転しているので、

はるべえ
ある地点に立っている人は
地球が1週回る間に
満潮と干潮のエリアを2回通る

ことになります。

たとえばですが、
千葉の九十九里の海水は、

地球の自転により
千葉県が月に近づいてくるにつれて
海水がおおくなっていきます(満潮)。

その後、
月から離れていくにつれて
海水が少なくなっていきます(干潮)。

更に千葉県が
月とは反対の地球の裏側に来たときには、

今度は遠心力によって海水が多くなっていき(満潮)、
更に自転が進むとまた海水が少なくなる(干潮)

というサイクルを延々と繰り返しているのです。

本記事の内容は
こちらのKindle電子書籍にて
一部追記・更新して
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月を見て潮回りを知る

太陽にも起潮力がある

月の引力によって
潮汐を引き起こす起潮力が発生
することについては記載しましたが、

地球にとって
もう一つの偉大な存在である
太陽にも起潮力が存在します。

ただ太陽は
月よりもだいぶ離れたところにあるため、

はるべえ
太陽の起潮力は
月の起潮力の1/2
となります。

この
地球、月、太陽の
3つの星の位置関係が、

我々サーファーにとっての
波に大きな影響を及ぼす
ことになります

なんだか壮大な話になってきた
ような感じもしますが、

でもこんな星の動きによって
我々の乗る波が変わってくるなんて、
少しロマンを感じますよね。

大潮と小潮

太陽にも起潮力があることから、
月が太陽と同じ方向にあるとき(新月)には、

月と太陽の起潮力が重なるため
海面はより大きく引っ張られる

状況となり、

いつもの満潮よりも
海面の高さが大きくなります。

また太陽が月とは
正反対の方向にあるとき(満月)にも
同様に月と太陽の起潮力が重なる
状況となります。

この新月と満月のときには、
干潮と満潮の差が大きくなることから、

大潮」といいます
(イラストの上段の図)

また、
月が太陽と90度離れた方向にある
位置関係のとき(上弦、下弦)、

月と太陽の起潮力は
逆向きになる
ことから、

干潮と満潮の差が小さくなり、
小潮」といいます’(イラストの下段の図)

引用:気象庁HP http://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/db/tide/knowledge/tide/choseki.html

 

また、大潮と小潮以外にも、
太陽と月と地球の位置関係によって
潮まわりには名前があります。

(新月)                        (満月)
大潮 → 中潮 → 小潮 → 長潮 → 若潮 → 中潮 → 大潮

(満月)                        (新月)
大潮 → 中潮 → 小潮 → 長潮 → 若潮 → 中潮 → 大潮

こんなサイクルで潮はまわっていきます。

新月→満月になるサイクルで
月の半分の約2週間

また満月→新月も同様に
2週間のサイクル
となっています。

カレンダーを見て、
なぜ30日で〇月と表現されるように
なったのかはもうこれで
わかりますよね。

中潮」は大潮と小潮の
文字通り中間くらいの干満の差がある潮で、

長潮」は小潮と同じように
潮の動きが少ない中でも
とくに潮がうごかない潮回りで、
べったら潮とも呼ばれたりします。

若潮」はこれから
潮が若返って大潮に向かう
という意味があるようです。

このように、

はるべえ
空を見上げて月の形を見れば、
今日の潮回りがわかります

夏と冬でも潮の引き方が異なる

またおもしろいことに
潮の動きかたが夏と冬では
異なる動きをします。

特に大潮の干潮時に
大きくその動きが現れるのですが、

1日に2回ある干潮において
季節により以下のような現象が起こります。
これは日本の太平洋側に特化した現象です。

  • 秋~冬:昼間より夜のほうが大きく潮が引く
  • 春~夏:夜より昼間のほうが大きく潮が引く

よって春~夏にかけて、
昼の干潮ではかなり大きく潮が引く
ことになることから、

そこから潮が上げていく力が
強くなるということにもなります。

潮干狩りが春~夏にシーズン
なのもこのためです。

「コレクトサーフ」サーフィンのONLINE SCHOOL
詳細はこちらからご覧ください~目から鱗の情報が沢山あります

潮回りを知っていい波にのる

潮位のデータ(潮見表)を持っておく

このように
単に潮まわりといっても、

いろいろな要素が絡み合っている
のがわかるかと思います。

年単位の太陽との位置関係、
月単位の月との位置関係、

これに日単位の地球の自転という
主な要素によって、
潮は常に変化しているのです。

サーフィンには
この潮まわりが非常に密接に
絡んでいることは、
以前の記事でも記載したとおりです。

海に行く際には、
この潮まわりと潮位の情報を
もっておくようにしたい
です。

今はスマホで
いつでもこれら情報が手にはいりますが、

以前はそんな手軽には
わからなかったこともあり、

私はいつも1年に1回無料で配布される
「ビーチコーミング マガジン」
を常に見て潮まわりをチェック
していました。

こちらは2020年版のときの情報です。
https://www.bcm-surfpatrol.com/newsandreport/detail/16420

エリア毎の
潮汐カレンダーが掲載
されているだけでなく、

各エリアのサーフポイントが
掲載されており

トリップに出かけるときには
必ず1つは持っておきたい1冊です。

ポイント周辺の宿や飲食店
などの情報もあり、

更にはクーポンもついていて
無料で配布されています。

サーフィンのルールや
海の知識なども掲載されており、

サーフィン初心者の方も
1冊は持っておいて損はない
ものです。

毎年6月頃から
全国のサーフショップや
大型のスポーツショップなどでも
置いてありますので、

ぜひ手にとってみては
如何でしょうか。

特に大潮まわりを気にしておきたい

潮汐カレンダー
BCM2020より写真撮影し一部追記

毎日の潮まわりの中でも、
特にサーファーが気にしておくべきは
大潮まわりです。

上の画像の赤枠で囲ったところが
大潮まわりの期間となります。

これは2020年8月の
潮汐カレンダーですが、

3日~6日までが
満月による大潮太陽‐地球‐月の配置)、

そして18日から20日までが
新月による大潮太陽‐月‐地球の配置)
です。

これら潮の干満の動きは
波に大きな影響をおよぼし、

波のコンディションは潮の動きで
変化するといってもよいです。

波がないときでも、
潮の動きによって波がブレイクする
ということもあります。

大潮のときには
この潮の動きが一番大きく
激しいときであることから、

特に大潮の干潮から満潮にかけての
潮の上げ込み”  の時間帯には、

潮の満ち込みによって
ワンサイズ大きくなる
ようなときがよくあります。

干潮からだいたい
2~3時間後くらい

が潮が大きく動く時間帯として
覚えておけばよいと思います。

そのころに海に入っていれば、
大潮の上げ潮によって
コンディションが上向くなどの
変化がみられる場合があります。

リーフのポイントでは潮の確認は必須

これは以前も記載したとおりですが、
海水面が上下することにより
岩が露出したり、

逆に水深が深くなって
波がブレイクしないなどの
状況になるため、

はるべえ
リーフのポイントでは
必ず潮の確認は
しておきましょう

そして
そのポイントに応じた
潮まわりをよく知っておく
ことが重要
です。

干潮と満潮の時間帯とともに、
だいたい何㎝くらいの潮位になるのか
までわかっていたら、

より深くそのポイントの波を知る
ことができると思います。

だいたい潮位が〇〇㎝以下になったら
浅すぎてサーフィンできないとか、

逆にこれくらいのサイズだと
〇〇㎝以下にならないと
波が割れないとか。

中には潮と海底の地形を
よく知っている方も多く、

ある時間帯になると
浅くなった岩の上に立って
波待ちをする人もいるくらいです。


今回は
潮汐の基本的なところから
サーファーにとっての潮まわりに
ついて記載してみました。

海に接することがあまりない人は
潮の満ち引きのことなど
ほとんど気にしないと思いますが、

サーファーは
ぜひこの潮まわりを気にしておきたい
ところです。

何気なく発生している
潮汐という事象は、

実は宇宙空間をまきこんだ
壮大なサイクルの中で発生している
ということを少し意識すると、

はるべえ
サーフィンがもっと楽しく
なってきます!

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