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いい波に乗るために〜海底の地形と深さによる波のブレイクの特徴

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波はどうして崩れるのか?

前々回のこちらの記事にて波の発生から終わりまでについて記載しました。

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前回こちらの記事にて波をつくるための風について記載しました。[sitecard subtitle=関連記事 url=https://asasfsas24.com/20181003/wave-4905/]今回からは風によって作[…]

”個々の波はそれぞれ発生した海域をでて、うねりとなり、ビーチに到着するころにはオフショアの風に出会い面は整えられて、浅くなった海底まで達すると波は崩れ、1つの波としての生涯を終えることになります”

うねりがビーチに到着するときにはいつもオフショアという訳ではありませんが、、、

うねりはビーチに近づいて海底が浅くなると波の速度が遅くなり波高が高くなります

これは波の波長水深の関係によるものです。

波は自身の波長の1/2の水深になるまでは海底の影響を受けません。

水深が波長の1/2以下になると、波は海底の地形の影響を受けるようになる。

 

ここで、

波の進む速さとは一般的に、V=√gh とあらわされます。

V=波の進む速さ、g=重力加速度、h=水深 です。

これは水深が深いほど波は速く進み、水深が浅いほど遅くなるということです。

波は水深が深いほど速く進み、水深が浅いほど遅くなる

うねりが沿岸に近づいて海底が浅くなって水深も浅くなると、波の速さは遅くなりブレーキがかかるようになります。

そうなると海岸付近では後からくる波との間隔がだんだん狭くなり、後からくる波にだんだん追いつかれて波が前後に押し縮められるような格好となり、波高が高くなっていきます

ですが、この波高というのは、波長の1/7が重力に耐えられる限界であるといわれており、この波長の1/7の高さになると波の上部(トップ)が地球の重力により下に崩れていきます。

これがいわゆる ”波がブレイク” するということです。

崩れる波の画像

このように、波が崩れる・ブレイクすることと海底の深さ・水深は密接な関係となっていて、

波はこの海底の地形や形状によってブレイクにいろいろな特徴がでてきます。

 

海底の地形や形状によるブレイクの特徴

サーフィンができるポイントでは主に以下のタイプの”ブレイク”があります。

①ビーチブレイク
②リーフブレイク
③リバーマウス

①ビーチブレイク

海底が砂のビーチ、サーフポイントのことです。

ビーチブレイクの画像

一般的に海水浴場と呼ばれているところは、海底が砂であるところが多いですがそのようなメジャーな海水浴場のポイントはほとんどがビーチブレイクとなります。

海底が遠浅の砂になっているところで波はブレイクします。

砂は海底で移動することができるので、その時によって同じ場所でも水深が浅い日もあれば深い日もでてきます。

つまり海底の砂の動き次第でブレイクの状況が変化するということです。

ビーチブレイクは海底の砂の動き次第で波の状況が変化する

砂が動くことはいろいろな条件によって動くことがあります。

大きな台風が接近したときに海が大荒れとなって、海底の砂がまきあげられて動く場合などがあります。

2019年に千葉県に甚大な被害をもたらした台風15号と19号の通過したあとには、多くの千葉南エリアのポイントで地形が深くなってしまい、波が小さいときは潮が少ない時間帯しか波が割れない状況が続きました。

また後述しますが、梅雨前線などによる大雨が降った後には河口に多くの土砂や砂が流れこむ場合があり、河口付近のビーチには地形が浅くなる場所が現れることがよくあります。

波のコンディションはサンドバー次第

この砂が動くタイミングで、海底のある場所に砂が溜まるときがあり、これを「サンドバー」といいます。

このサンドバーができている場所、つまり部分的に海底が浅くなっている場所ができると、このサンドバー付近から波がブレイクすることになりいい波が現れます。

このように適度にサンドバーが形成されているときのことを「地形が決まる」といいます。

ビーチブレイクはこの海底の砂の付き方次第で良くも悪くもなるため、いい波に乗るためにはこの「砂の付き方」も考慮にいれなければなりません。

まったく同じように見える海でも、よーく見るとあそこだけよくブレイクするという場所が見つかることがあります。

そこの海底にはおそらくサンドバーが形成されていて、水深が部分的に浅くなっているのかもしれません。

また海底が砂なので、岩や玉石やサンゴ礁などに比べて波に巻かれても比較的安全であることから、ビギナーでも安心して入れるポイントという特徴もあります。

②リーフブレイク

海底が主に岩でできているポイントのこと。

ビーチブレイクは海底が砂のポイントであることで、その砂の付き具合によりブレイクが左右されるますが、リーフブレイクは海底が岩であることから海底の形状は変わることはないです。

つまり、海底が浅くなっている場所が変わらないということであり、波がブレイクするポイントも一定の位置となります。

リーフブレイクは波がブレイクする場所は一定

厳密にいうと潮の満ち引きや波の大きさによって波がブレイクする場所は変わってきますけど、ビーチブレイクのように海底が浅い部分は変わらないという意味で捉えてもらえればと思います。

その海底の形状によりライト方向のみのポイントやレフト方向のみブレイクするポイント、また左右同時にきれいに割れるいわゆるAフレームのパーフェクトな波を作りだすポイントと様々であり、サーフィンには理想的な波となるポイントが多いです。

リーフブレイクにはリスクも多い

こんな一見いいことずくめのようにも見えるリーフブレイクですが、、、

ビーチブレイクと比較すると、いろいろリスクが伴うポイントであるとも言えます。

まず想像に容易いのが、海底が岩であることから波に巻かれたときには非常に危険です。

波がブレイクするエリアは海底が浅くなっているところなので、ワイプアウトしたらすぐに岩に叩きつけられてしまいます。

ワイプアウト以外にも、まず海に入るときやアウトに出るときに岩で足を切ってしまうこともザラです。

岩の上をリーフブーツなしに歩いているときには、人間の弱さというかモロさというか、自然の大きさを身をもって知ることができると思います。

ウニに刺されることもあれば、リーシュコードが岩に引っかかって動けなくなってしまうこと、岩に挟まって身動きできないなんてこともあるかもしれません。

更にビーチブレイクと比較して潮の流れが複雑でカレントも強い場合が多いです。

リーフブレイクはビーチブレイクよりも危険が伴う

リーフブレイクは潮回りのチェックが重要

また海に入る時間もよく見ておかなければいけません。

海底が浅いポイントでは潮が上げている時間じゃないと入れない場合や、逆に潮が引いている時間じゃないとブレイクしないなど、よく潮の動きを把握して海に入る必要があります

単純に干潮と満潮の時間帯だけでなく、潮回りや潮位を把握してないと危険な場合もよくあります。

潮が◯◯cm以下の時間帯はサーフィンは危険とか、今日は長潮で干潮でもあまり引いてこないから1日できたとか、よく海のことを知っておく必要があります。

リーフブレイクは潮の動きを知る必要がある

更に、リーフブレイクでは波がブレイクする位置が一定であることから、ブレイクポイントに人が集中して混雑することがよくあります。

ローカルの方で回しているポイントではビジターの方が乗れるチャンスは少なくなり、混雑したピークではトラブルになる確率も高くなってきます。

このようなリスクを多く伴っていることから、敬遠されることもあるリーフブレイクですが、、、

海のことをよく知り、そのポイントを大切に守っているローカルにも敬意を持って接し、自身の技量と海に入るタイミングを合わせることが出来れば、素晴らしい波に出会える確率は高くなります。

③リバーマウス

関東エリアの週末サーファーにとってはあまり馴染みのないブレイクなのかもしれませんが、日本が誇るサーフポイントと言えば、このリバーマウスだと思います。

なぜ河口の波がいいのか?

リバーマウスとはその名のとおり河口のこと。ではなぜ河口の波がいいのか?

一般的には河口は海底が砂でできているエリアが多いことから、ビーチブレイクと特徴的には変わらないところがあります。

ビーチブレイクと異なる点は、砂の付き方です。

比較的大きな川の河口には、川の上流から流れてきたものが流れ着きます。

特に川の上流で大雨や土砂崩れなどが発生した場合には、上流から下流に向けて土砂が多く運ばれてきます。

河口まで流れ着いた砂や土砂は、海に出て反対方向からやってくる波に出会うことで川の流れと波の間に挟まれた状況となり、砂が河口付近に蓄積しやすくなります。

この砂の蓄積=サンドバーが出来やすいというのが河口の波が通常のビーチブレイクと異なる点です。

河口付近の海をよく見てみると、河口から離れたところはまったく波がないのに河口のエリアだけ波がたっていることがあります。

河口から離れたところは海底が深く砂が付いてないところで波はインサイドのみのブレイクだけど、河口付近はサンドバーが形成されて頭くらいの波が割れているという状況が河口のポイントです。

Daytona7 店長のブログさんのブログより引用(上空から見た仁淀川河口) http://blog.livedoor.jp/daytona7com/archives/2018-05.html

リバーマウスはカレントが強烈

ただこのリバーマウスにもリスクが伴います

まずカレントが非常に強く複雑な流れになっていることが多いこと。

河口なので当然川から海に向けて流れが入ります。この流れの強いときには一気に沖まで流されてしまうリスクがあります。

ゲッティングアウトもよく状況を見てからにしないと、ブレイクポイントにいくらパドルしても到達しないこともあったり、全然反対の方向にどんどん流されてしまうこともあります。

河口の波にトライするには、ある程度の技量が必要

また、この河口の地形を常に気にしているローカルのセッションとなっていることが多く、ローカルがきつくてビジターが容易く入れるようなポイントが少ないというのも実態としてあります。

ただこれら条件をクリアしてうまくラインナップに着くことが出来たならば、、、

テイクオフから掘れ上がるチュービーなパーフェクトの波を堪能することが出来るかもしれません。

東の横綱は酒匂川

関東エリアのポイントでは、西湘にある酒匂川河口が有名なポイントです。

例年ですと7月頃には梅雨末期の大雨で上流から大量に運ばれた土砂が河口付近に運ばれてサンドバーを形成。

そこに台風の南からの強いうねりがヒットすると、富士山をバックにしたパーフェクトな素晴らしい波がブレイクしている光景を西湘バイパスからも見ることができます。

ただこんなコンディションの日にはローカルやプロのセッションとなり、ビジターがいい波に乗れるチャンスはまずないと思ったほうがいいかもしれません。

リバーマウスと言えば四国

四国には西の横綱級の川が何本も流れています。

特に有名なのが、徳島の海部川高知の物部川と仁淀川です。

これら河口の波は世界に誇れる波としてずいぶん昔からいろんな雑誌等でも取り上げられています。

河口に蓄積したサンドバーの状況・強いうねり・当日の風などの多くの条件が整ったときには、波のクオリティはまさに世界に誇れるレベルの波が出現し、ここの波に魅了され海外からも移住するサーファーがいるほどです。

一年に数回あるかないかの波の出現のために、河口の地形の状況や天気図を常にチェックしてその日を待っている人がいます。

そんな日はやはりローカルとプロのセッションとなり、ビジターはギャラリーにまわったほうが良さそうです。


 

今回は波のブレイクと代表的なポイントの種別について記載してみました。

リーフブレイクやリバーマウスの波でいい波に乗るためには、それなりのリスクがあるということ、海や気象の知識と安全に対する意識、自身のサーフィンの技量、ローカルとのコミュニケーションが必要になる場合があるということを知っておいてもらえればと思います。

以上、「いい波に乗るために〜海底の地形と深さによるブレイクについて」でした。

次回は「いい波に乗るために〜うねりの向きを知っていい波をあてる」です。

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うねりの向き

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