低気圧だけでなく高気圧にも注目
波をつくる風についてのおさらい
/サーファーはいつも風を気にしています\はるべえはるべえ@サーフィン大好きな気象予報士です。そうなんですサーファーはいつも風を気にしているんですよね海に行く前日はもとより平日の[…]
- 風が強く吹くほど、波は大きくなる
- 風が吹いている距離が長いほど、波は大きくなる(吹走距離)
- 風が吹いている時間が長いほど、波は大きくなる(吹続時間)
- どの方向からくる波
なのか? - それを待ち受けるビーチが地形的にどの方向を向いているのか?
によ
高気圧からの吹き出しとは
はるべえはるべえ@波乗りお天気ブログを毎日更新している気象予報士です/貴重な週末の休みの日に海に行くならいい波に乗りたいですよね!\週末サーファーの方なら誰もがそう思っているかと思いま[…]
- 風は気圧の高いところ(高気圧)から低いところ(低気圧)に向けて吹く
- 高気圧は中心から外向きに時計回りに風が吹く
- 海上で吹く風は等圧線に平行には吹かず、約20度くらい外向きに曲げられて吹く
高気圧の吹き出し先の海上では波が発達
これは典型的な高気圧からの吹き出しにより、太平洋側がサイズアップする気圧配置です。
この東海上にある高気圧の中心からは赤の矢印のような風が海上で吹きます。
- 風が強いか?
→ 高気圧の中心気圧は1032hPa、日本の南海上には5本もの等圧線が並んでおり気圧傾度は大きく南東の強い風が吹いていると想定される - 風は長い時間吹いているか?
→ 後でこの数日の気圧配置図を載せますが、南海上で南東ベースの風が2週間程度続きました。 - 風は長い距離吹いているか?
→ 高気圧の左下の等圧線の長さをみると、パッと見ても東京から九州の距離以上は同じ向きで風が吹いてると想定されます。
ということで、3つの条件は軽くクリアしており、南海上では強い南東の風によって南東うねりが発達した状態でした。
この南東うねりが太平洋沿岸の広い範囲に届いたため、この日は外海の各ポイントにおいては頭オーバーのややハードな波となりました。
気圧配置と波情報 : 太平洋側は東向きのポイント中心にハードな波午前3時の実況天気図 ASAS東海上に中心を持つ高気圧は1032hpaをキープし南にゆっくりと移動しています。気圧配置的には大きな変化はなく、太平洋側に[…]
どんな気圧配置のときに、太平洋側ではどれくらいサイズがあるのかについては一概には表現できませんが、
この日の気圧配置のように、高気圧の中心が東海上にあって、等圧線の向きが日本に向けて長く描かれている気圧配置であれば、太平洋側にはサーフィンするには十分な波があることがわかります。
どのエリア・ポイントにどれくらいの波があるのかは、
- サーフポイントと高気圧との距離
- 同じ向きで吹き続ける風の強さと距離、および吹き続ける時間
- 吹き出しによる風向とポイントの向き
夏の太平洋高気圧の張り出しケース
先ほど挙げた例は2019年5月の初夏の天気図ですが、夏から秋にかけても高気圧からの南東うねりが太平洋側に反応しやすい時期です。
以下は2018年8月14日の地上天気図(ASAS)です。
東海上にある太平洋高気圧が日本付近に張り出しを強めてきているケース。
2019年5月のケースと同じように東海上に高気圧の中心、そこから日本の南の海上にかけて等圧線が長く描かれるパターンとなっています。
この日も千葉エリアでは胸肩サイズのいい波が入っていて、湘南にも腰腹サイズで楽しめていました。
8/14 3:00 ASAS 気圧配置と波情報南の海上が非常に騒がしくなってきている。台風15号は紀伊半島の南の海上北緯28度付近にあり台風としての勢力を保ちながら九州南部を指向している。台風16号は南シナ海にあり日本への影響はな[…]
繰り返しになりますが、その時々の高気圧の勢力や等圧線の向きと長さによって波の反応の仕方が異なるので、
この気圧配置パターンが続いたら太平洋側にはそこそこ波がありそうだな、くらいでまずは覚えておけばいいと思います。
“高気圧の吹き出し” は安定して波がある状態を作り出す
太平洋側にしばらく波が続いたケース(2019年5月14日~28日)
(気象庁HP:過去の天気図:https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/wxchart/quickmonthly.html から当該期間の天気図のみ引用)
湘南もずっといい波が続いた!
風の影響が少ない時間帯・ポイントへ
強い南東から東の風がネック
これに加えてオンショアベースの風となりジャンクで大荒れなコンディションにもなってきます。
いい波に乗れる確率も高まります。
風の影響の比較的少ない朝一を狙ったり、うねりとポイントの向きから強いうねりが入りにくいポイントへ移動する、
また、オフショアとなるポイントには基本的にはうねりは入りにくいですが、強いうねりの場合は回り込んでサイズは小さめながら、風の合うポイントでサーフィンできる場合もあります。
このような点を考慮しながらポイント選択ができれば、サーフィンを楽しむ幅がグンっと広がってくるでしょう。
サーフィンビギナーの方は注意が必要
これまでの記載は、基本的にはそこそこサーフィンの経験と技量のある中級者以上の方向けの観点で記載しましたが、
ビギナーの方には要注意な期間となります。
風も強く波のサイズがある期間が続くので、ポイントや海の知識が少なくサーフィンの経験が少ないうちは、この期間は十分に注意が必要です。
メジャーなポイントはサイズが大きすぎておそらく入れないでしょう。
また、入れたとしてもカレントが強かったり、ポイントによっては混雑していたりとなかなかビギナーの方の練習に適したコンディションとは言えない状況となります。
ポイント選びや海へのエントリーの仕方など、経験のある方と一緒にいくか、サーフショップのスクールに入るなどして、海とサーフィンのことを教わることが必要です。初心者だけで海に入るのは危険なポイントが多くなるので、十分注意をお願いします。
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今回は、高気圧からの吹き出し をテーマに記載してみました。
天気図を毎日ながめていると、同じような気圧配置の天気図パターンがあらわれて、過去の経験などからこの気圧配置のときにはこのポイントにいい波が入る、などの経験則がついてきます。
次回も同じように気圧配置のパターンに対してどんな波のコンディションになるのかについて、
私の経験則も踏まえた記事を記載していこうと思います。
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