サーフィンの波は、沖合で生まれた「うねり」だけで決まるわけではありません。
実は、ビーチで吹いている風によって、同じ波でも
「走れるいい波」になるか、「ぐちゃぐちゃな乗りにくい波」になるかが大きく変わります。
オフショアの日は面が整い、
オンショアの日はすぐに崩れてしまう──
多くのサーファーが経験的に知っているこの違いには、はっきりとした理由があります。
この記事では、
サーフィン歴30年・気象予報士の視点から、
「沿岸で吹く風」が波の形にどう影響するのかを、
オフショア・オンショア・サイドショア・無風といった
実際の海で起こるケースごとにわかりやすく解説します。
風向きを少し理解するだけで、
その日のポイント選びや入水タイミングが変わり、
同じ休日でも“当たりセッション”に近づくはずです。
沿岸で吹く風はサーフィンの波の形にどう影響するのか

サーフィンの波は、沖合で生まれたうねりだけで決まるわけではありません。
ビーチに近づいたあとの「沿岸で吹く風」によって、
同じサイズの波でも、走りやすくなったり、すぐに崩れてしまったりします。
オフショア・オンショア・サイドショアといった風の違いは、
サーフィンのしやすさを大きく左右する重要な要素です。
サーファーにとってのもうひとつの”風”
前回の記事に記載しましたとおり、
二側面あるということをお伝えしまし
サーフィンの波は、どうやって生まれているのでしょうか?実は、いい波が立つかどうかは「どこで・どんな風が吹いているか」でほぼ決まります。この記事では、風が吹いて波が発達し、うねりとなってビーチに届くまでの流れを、気象予報士でサーフ[…]
ひとつは、
もうひとつは、
です。
今回は、
“波の形を左右する沿岸で吹く風”
について記載していこうと思い
どちらかというと、
いつも気にする風はこちらの風です。
~
‘波’を見て、’風’を感じる

サーファーがビーチに着いてまずチェックするのは、“波” と “風
波については、
- サーフィンできるくらいの波があるのかどうか?
- 自分の技量で入れるコンディションなのか?
- いい形でブレイクする波なのかどうか?
みたいなところからまずはチェックしていくと思います。
そして“風”については感じます。
- 風が吹いているのか吹いていないのか?
- どの方向からの風が吹いているのか?
- 風は強いのか弱いのか?
こんなところを自分の肌で感じます。
沿岸の風の吹き方で、
まったく異なってきます。
サーファーは海に出かけるときや
ポイントを選ぶ時には、
~![]()
風の吹き方で波も変わる
当然のことを書いているかもしれませんが、
吹いているのかで
海や波のコンディションは
まっ
サーファーが気にするのは、まずは
です。
向きといっても単純に方角という訳ではなく、
- 陸から海に吹く風なのか(オフショア)
- 海から陸に吹く風なのか(オンショア)
- 横に吹く風なのか(サイドショア)
です。
オフショア
サーフィンをする上でいい波になるのは、
“
オフショアのときは
波が崩れる方向に正面から
風を受けること
波の面がシェイプされてから崩れます。
波はきれいな面(フェイス)になり、
サーファーがこの面を走ります。
以下の画像はオフショアが
強い日の波の様子。
波の進行方向/崩れる向きとは
反対の真正面から風が吹いているのが
わかるかと思います。
このときサーファーは
波がまだ崩れていない部分(フェイス)を
走るのですが、
見てもらうとわかるように
波の面は凸凹がなく斜面としては
整っている状況となります。
つまり、
オフショアが吹くとこのように
波の斜面が整ってきます。

~
オンショア
一方で、海から陸に吹く風(オンショア)になると、、、
すぐに崩れる波となり、
サーファーが走れる斜面(フェイス)が
少なくなってしまいます。
以下の画像は
海から陸に風が吹いているときの
波の様子。
かなり強く海からの風が吹いており、
波はすぐに崩れた状態となって
白い波が多くなります。
つまり、

オフショアの日には
うねりがしっかりと筋張って
見えるようになり
波がすぐに崩れるので白波が目立って
グチャグチャした波になってしまいます。
波はそれほど大きくなくても、
オンショアでぐちゃぐちゃな波のときは
風によりクローズアウトな
コンディションという状態となり、
よく「風クローズ」
という言葉も使われます。
ただオンショアなコンディションでも、
上記の写真のように全く乗れるような
波がないという日ばかりではなく、
オンショアだからといって
サーフィンができない訳ではありません。
オンショアでも、
- それほど強く吹いてないオンショアなとき
- サイズがあってオンショアでも走れる斜面があるとき
- またオンショアが強くてもビーチの地形的にそこまでぐちゃぐちゃにならないポイント
などもあり、
そのオンショアの程度やポイントによっては
十分サーフィンができるコンディション
なときもあります。
~
サイドショア
ビーチの風は
オフショアとオンショアだけでは
ありません。
当然ながら横から吹く風もあります。
この横から吹く風のときには、
「サイドの風」とか「サイドショア」
といった言葉を使います。
サイドから吹く風なので、
オフショアとオンショアの間くらいの
波になりそうだということは
想像がつくかと思います。
オフショアよりも波の面は整ってないけど、
オンショアで波がぐちゃぐちゃしている
訳でもない、そんな状況。
横から吹く風といっても微妙な風の向きも関係していて、
- サイドからだけど少しオフショア気味な「サイドオフ」
- サイドからだけど少しオンショア気味な「サイドオン」
があります。
サイドオフのときは
比較的面は整った波ですけど、
サイドオンのときには
面はざわついて荒れてきます。
~
無風
また風のない ”無風” に近いときも、
波の面が整っている時が多いです。
無風といっても、
その無風になる前にどんな風が吹いていたのか
によって、まったく波の質は異なってきて
しまいますが、
無風の時間帯が長いほど
波の面はまとまってきて
サーファーの走る斜面が
整ってきます。
朝や夕方、
また霧が出ているときは
風が弱いか無風になることが多く、
このタイミングを狙って海に入ると
いい波になることも多いです。

波を発達させるには
オンショアが必要なのですが、
※ただし、いつでもオフショアの日が波の面は
きれいなのかというとそうでない日もあり、
沖合の風の影響や潮の動きにより、
する時もあります。
海に行くときには、
どのポイントに行くのがいいのか
を決めるのが、
いい波にのるためには
重要になってきます。
~
ポイントによりオフショアの向きが異なる
これも極当たり前のことを記載していますが、
どの方角に開いた海なのかによって、
例えば千葉のメジャーなポイントを例にとってざっくり記載してみると、
- 北風がオフショアになるのは、
飯岡、御宿、鴨川、平砂浦など - 南から南西の風がオフショアになるのは、
太東、志田下、東浪見、一宮、千歳、千倉など
千葉県は東から南東に開いた
海岸線が多いことから、
西から北西の風がオフショア
になるポイントが多いです。
反対の言い方をすると、
北東~南東の東よりの風になると
ほとんどのメジャーなポイントは
オンショアになってしまいます。
以下、SurfingRepsさんのホームぺージ に
千葉県のわかりやすいサーフポイントが
ありましたので引用させていただきます。
リンク先には海岸の向きも掲載されていますので、
オフショアがわかると思います。
出典:SurfingReps http://www.surf-reps.com/point/chiba.html
このように、
どの方角からの風が吹いているかによって
ポイントを選べば、
きれいなフェイスの波で
サーフィンすることができます。
ただ、いくらオフショアで面は
きれいだったとしても
肝心の波がないと意味がないので、
が、まずは重要なファクターとなります。
千葉県は南北に長い海岸線があり、
千葉県内のエリアやポイントによっても、
その日の状況により全く風向が異なる
ことがあるのが普通です
(飯岡は北風が吹いているけど、
鴨川は南風が吹いているときは
普通によくあります)
これに加え、
まわりの地形(周囲に風を遮る山や堤防などが
あるのかどうかとか)やうねりの向き、
潮の満ち引きの時間帯と潮回り、
更に海底の地形(砂の付き方など)などの
あらゆる条件が波の形や質に
影響してきます。
”風”については
まだまだ記載したい内容が
沢山あるのですが、
上記のとおり波の形や質には
多くのパラメータが影響して
きますので、
各カテゴリ毎に
順次このブログに記載
していこうと思います。
~
「いい波にのるために」シリーズについて
この記事は、「いい波にのるために」シリーズの一部です。
気象予報士としての知識と、週末サーファーとしての実体験をもとに、
風・波・天気図の読み方を体系的にまとめています。
シリーズ全体の構成や、各記事・Kindle電子書籍の位置づけについては、
以下の記事で詳しく紹介しています。
▶︎ いい波にのるために|シリーズ紹介(全体ガイド)