いい波に乗るために〜うねりの向きを知っていい波をあてる

週末サーファーがいい波に乗るために

週末サーファーがサーフィンできる時間は非常に限られていますが、その限られた時間の中で ”いい波” をあてるために知っておきたい気象や海に関する知識について情報配信しています。

・風の向き・強さ・持続時間によるうねりの向きと強さ

・太陽と月と地球の位置関係から変化する潮まわりと毎日の干潮・満潮の時間による潮の動き

・ポイント毎の向きと地形・周辺ロケーションの環境などによる波のコンディション

その他、サーフィンに関連する話題や安全にサーフィンを楽しむための記事も随時配信していきます。

twitterでも随時情報を更新しています:https://twitter.com/asasfsas24


週末は波があるのか?ないのか?

週末が近づくとこの土日はどんな波になりそうなのか、沿岸の風はどこから吹きそうか

  • 風が強いのか弱いのか
  • 潮回りは何か
  • 干潮と満潮の時間は
  • 地形は決まっているのか
  • どのポイントに行くべきか

などなど、事前にいろいろチェックしておきたいところです。

ここで一番最初に記載した「波があるのかないのか」についてが、まずは最初に気になるポイントかと思います。
そこで重要になってくるのが、「うねりの向き」です。

うねりの向きとは

サーファーや海にかかわることをやっている方以外は、ほとんど「うねりの向き」について意識したことはないと思います。

サーファーの中でも特に意識していない方もいてるかもしれませんが、いい波に乗るためにはこの「うねりの向き」が重要な要素になってきます。

うねりの向き」とは文字通りうねりがやってくる方向です。

このブログにて毎日更新している、毎日の気圧配置と波情報 においても、いつもうねりの向きを記載しています。

このうねりの向きは、地上天気図を見ればざっくりどの方角からのうねりなのかがわかります。
高気圧と低気圧の風向きだけわかっていれば、ざっくりどんな感じかがイメージできます。

北半球での高気圧/低気圧と風向きの関係

波をつくるための風” でも記載したとおり、この高気圧や低気圧によって、波を作る “風場” がどこにどの方向にあるのかがわかれば、うねりの向きもざっくりわかります。

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うねりの向きとサーフポイントの関係

「うねりの向き」とは、そのままですが、うねりがやってくる方向です。

日本は島国なので、東西南北のどの方角からもうねりがやってきます。この「うねりの向き」を知っておくことが何で重要かというと、サーフポイント毎に反応するうねりの向きが異なるからです。

サーフィンするポイントはその地形により、向いている海の方向が異なります。
大雑把に言えば、湘南のある相模湾は南に開いた湾になっていますし、千葉の九十九里浜は東に向いた海岸線になっています。

つまり、湘南は南から来るうねりが入りやすく、九十九里浜は東からくるうねりが入りやすいということになります

出典:テクノコ白地図イラスト:http://technocco.jp/

うねりの向きでポイントを選ぶ

パタゴニア

ポイントの向きによってうねりが入りやすいのかどうかはイメージついたかと思います。

ただ海の開いた方向のみのうねりしか入らないという訳ではなく、うねりは回り込んで入ってくるものなので、そのポイント毎にうねりの入りやすい方角というのがあります。

例えば ”湘南” は鎌倉から吉浜までのエリアだとすると、北東~南~西までの広い範囲のうねりに反応します。

ポイントのある場所と向きにもよってきますが、例えば冬場には御前崎沖合の西風が強く吹き続け、鎌倉エリア中心に西うねりが反応していい波になることがしばしばあります。

逆に東海上の高気圧が北に偏っているときなどは北東うねりが強まるときがよくありますが、湯河原の吉浜には北東うねりが回り込んで反応し、湘南エリアでも吉浜だけ波があるということがよくあります。

千葉のサーフポイントの中でも北うねりに反応するポイント、南うねりに反応するポイントなど、うねりの向きによって反応しやすいポイントがそれぞれ異なってきます。

 

このうねりの向きがわかっていれば、どのポイントに波があってどのポイントには波はなさそうなのかがわかるようになりポイントによってはうねりの向きでどんな波が割れてそうなのかを想定することができます。

地上天気図からうねりの向きを見つける

うねりの向きについてちゃんと知るには、地上天気図をシリーズで見る必要がありますが、ここでは例としてスナップショットのある時点の気圧配置を例にとって見ていきたいと思います。

以下は、2018年11月6日~8日の地上天気図です。
東海上にある高気圧からの吹き出しによる東うねりが反応する気圧配置の例です。

低気圧と高気圧の性質さえ知っていればすぐにわかるかと思いますが、
この期間の波の源は太平洋高気圧の南側で吹く東ベースの風による「東うねり」です。

この週は東海上に高気圧の中心がある日が数日続き、千葉エリアでは東うねりが1週間程度続きました

11月4日あたりから東の海上に高気圧が居座りはじめ、6日から8日にかけても同じような位置に高気圧があるのがわかります。

太平洋側は高気圧の位置で東うねりの反応がざっくりわかる

高気圧は中心から外向きに時計回りに風が吹いています。

気圧の高いところから低い方へ風は吹くので、最初は等圧線に直角に吹くのですが、コリオリの力により北半球では風は右向きに曲げられることにより、地上や海上の摩擦の影響がない上空では等圧線とほぼ平行に風は吹きます。

等圧線が曲がっており低い高度で吹く風は、遠心力と地上や海上による摩擦の影響を受けることにより等圧線に平行には吹かず、海上では約20度くらい外向きに曲げられて風は吹きます。

よって高気圧の場合は、中心から外に向けて風が吹くため、この風のことを「高気圧の吹き出し」という表現でよく使います。

この期間の天気図では、太平洋高気圧の南側で1,000~1,500kmくらいの距離を東〜南東よりの風が吹き続けている海域となります。

これだけ長い距離を東風が吹いているので、波は発達してうねりとなって太平洋沿岸に届くようになります。

この高気圧が東海上にある期間の太平洋側では、東うねりに反応するポイントでは胸肩から頭サイズのグッドコンディションになった一方で、
東うねりの入らないポイントではフラットに近いコンディションになっていました。

低気圧や台風の位置からうねりの方向を見つける

高気圧と同じように、地上天気図に解析された低気圧や台風の位置からもうねりの向きがざっくりわかります。発達した低気圧になればなるほど、うねりの向きも明瞭になっていきます。

台風や低気圧は高気圧と反対で中心に向かって風が吹き込みます。

これだけ見るとうねりの向きはイメージ的によくわからないかもしれませんが、低気圧の東側では南から南東のうねり、西側では北から北西のうねりが発生していると、おおよそ考えてもらってよいかと思います。

台風による南うねりから南西うねりのケース

以下は2018年9月27日と28日の地上天気図です。
台風24号が宮古島の南東海上付近にあり北西に進んでいる気圧配置です。

この日は西日本の各ポイントには台風24号からの南うねりが反応しており、ビーチのポイントはほぼクローズアウト。湘南や千葉のポイントには南西うねりが反応し鎌倉でも肩から頭サイズでいい波が入ってました。

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西日本エリアのポイントは台風の中心よりも経度としては東に位置しており、台風の東側で吹く南風による南うねりが反応している状況。

一方西日本よりも500㎞以上東に位置する湘南や千葉の各ポイントには、台風からの南から南西うねりが反応している状況でした。

台風による南東うねりのケース

以下は2018年8月18日と19日の地上天気図です。
台風19号が北緯25度東経140度付近付近にありほぼ停滞している気圧配置です。

台風が湘南と千葉のほぼ真南に位置しており、台風の北東側で吹く南東の風による南東うねりが反応している状況です。

千葉エリアのポイントでは肩から頭サイズの南東うねりが反応しています。ただ東よりのうねりが入りにくい平砂浦ではうねりがストレートに入らずサイズは腹胸くらいが反応していました。

湘南では南東うねりとなると主に西湘エリアがよく反応し翌日20日には胸肩サイズ、鎌倉エリアは少しサイズは抑えられて腹胸くらいとなっていました。

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台風によるうねりの反応について2つのケースを記載してみました。
実際はこんな単純なものではなく、もっと複雑な反応をすることになりますが、地上天気図からざっくりこんな感じでうねりの向きを知ることができます。


今回は主に太平洋側に影響する「東海上の高気圧による吹き出し」と「南海上の台風」によるうねりの向きを記載してみました。

この他にも日本海側への影響も含めるとうねりが反応するパターンはいろいろあり、季節毎に代表的な気圧配置とうねりの反応するパターンがあります。

このいろいろなパターンと全国の各エリアのうねりの反応する状況について、次回以降順次記載していこうと思います。