世界中のサーファーが憧れる場所、ハワイ・オアフ島ノースショアの「パイプライン(Pipeline)」。
その名を聞いただけで、スリリングで完璧なチューブの波を思い浮かべる方も多いでしょう。
波の特徴・危険性・大会の歴史までを、気象と波を長年見続けてきたはるべえがわかりやすく解説します。
後半では、Italo Ferreiraがワールドタイトルを手にした「Billabong Pipe Masters」の模様など、実際の大会の舞台裏についても触れます。
サーフィンのパイプラインとは?場所・波の特徴・世界的な意味
引用:BCM https://www.bcm-surfpatrol.com/newsandreport/detail/3848
「パイプライン(Pipeline)」とは、ハワイ・オアフ島ノースショアにある世界的なサーフスポットの名称です。
正式には「バンザイ・パイプライン(Banzai Pipeline)」と呼ばれ、エフカイビーチ(Ehukai Beach)の沖合に位置しています。
ここは、世界中のサーファーにとって“聖地”ともいえる場所で、冬季に到来する強いノーススウェルがヒットすると、波が完璧なトンネル状(パイプ状)に巻き上がることで知られています。
波は主にレフト(左方向)にブレイクし、浅いリーフ(サンゴ礁)の上に直接崩れるため、見た目の美しさに反して非常に危険なコンディションです。
波のトップから垂直に落ち込み、チューブの中を抜ける“チューブライディング”は、プロ・アマ問わず世界中のサーファーが目指す究極のライディングスタイルです。
「パイプライン」という言葉の2つの意味
引用:BCM https://www.bcm-surfpatrol.com/newsandreport/detail/3848
サーフィンにおける「パイプライン」という言葉は、地名と波の象徴の両方の意味を持っています。
- ① サーフスポット名:ハワイ・オアフ島ノースショアにある「バンザイ・パイプライン」そのもの
- ② 波の象徴的表現:チューブ状に巻き上がる理想的な波の代名詞(“パイプのような波”)
つまり「パイプライン」は単なる地名ではなく、サーフィンにおける理想の波・究極のステージを意味する言葉として世界中に浸透しています。
この波の中を完全に走り抜けることは、多くのサーファーにとって生涯の目標でもあります。
パイプラインとバックドアの関係
パイプラインのブレイクはレフト(左方向)に巻き上がる波が有名ですが、同じピークからライト(右方向)に割れる波もあります。
このライトのブレイクが、バックドア(Backdoor)と呼ばれる波です。
どちらも同じリーフの上に形成されますが、バックドアはパイプラインのメインピークの西側で生まれるライトブレイクであり、より浅く掘れ上がるため、パイプライン以上にテイクオフが難しい危険な波として知られています。
ふたつのブレイクは表裏一体の関係にあり、条件が揃うとレフトとライトの両方が完璧に巻くこともあります。
パイプラインの歴史と世界的な影響
パイプラインが世界に知られるようになったのは1960年代。
伝説的サーファージェリー・ロペス(Gerry Lopez)が、完璧なチューブライドを披露し、「ミスター・パイプライン」と称されたことがきっかけでした。
その後、この波を舞台にした「Billabong Pipe Masters」は、現在のWSL(ワールド・サーフ・リーグ)チャンピオンシップツアーの最終戦として開催され、世界チャンピオンを決める最も権威ある大会となっています。
Kelly Slater、John John Florence、Italo Ferreira、Gabriel Medinaといった歴代チャンピオンたちが、ここでタイトルを懸けた戦いを繰り広げてきました。
まさに「世界最高峰の波が、世界最高のサーファーを決める場所」です。
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気圧配置&天気と波情報 : 今年のイタロの活躍は凄かった
午前3時の実況天気図 ASAS

日本付近は東海上と南シナ海の2つの高気圧に挟まれています。
西日本の太平洋側は晴れ間も出ているようですが、日本海側は雲が多い天気。
朝の冷え込みはそれほどきつくはなかったようです。

また関東地方も雲が多い天気です。ちょうど関東付近に等圧線が盛り上がってるところがありますけど、そこには低気圧が隠れていてこれから夜にかけて前線を伴って東へ移動していきます。
千葉エリアには東からのうねりが弱く反応しているくらいで風がかわせるポイントでなんとかできるくらい。
湘南から西日本の太平洋側は波がない状況が続いており、日本海側は波が残っていてなんとかサーフィン可能なポイントがあるようですね。
この時期の関西サーファーの週末は、北へ向かうことがほとんどになってきます。冬型の気圧配置が緩んだときが狙い目なので、関西サーファーは週末にそのタイミングが合うかどうかをいつも気にしていると思います。
Italo Ferreira 2019 Pipe Masters & World Champion !!

Billabong Pipe MastersはItalo Ferreiraが優勝!そして2019のWorld Championも自らの手でもぎ取りました。
https://twitter.com/wsl/status/1207863452095565824?s=21
昨日の朝の会社にいくまでの電車ではちょうどSemi-FinalでKellyが負けてしまったヒートが終わるところまでは見れたのですが、その後のSemi-Final Heat2ではGabriel Medinaが順当に勝ち上がりFinalはItalo vs Gabrielのブラジリアン対決に。
7.83/7.73=15.56のポイントでItaloが競り勝ちました。
いやー、Italoは今年は乗りに乗ってましたね。
僕も今年の10月に開催されたISA宮崎を観にいきましたけど、あのときもいろんなトラブルがあって空港からポイントに直行してギリギリヒートに間に合って借りた板で勝ち上ったり、最後のファイナルはとんでもないエアーを繰り出して10ポイントライドを決めるなど、野生感が物凄かったです。
世界レベルのサーフィンを観戦しに宮崎へ2019年9月7日から15日まで宮崎の木崎浜で開催されている、ISAワールドサーフィンゲームスを観戦してきました(Day6 ; 9/12)。実は元々は観戦する予定はなかったのですが、世界のト[…]
そんな乗りに乗ってるItaloだったので今年はワールドタイトル獲るんじゃないか?と多くの人がそう言ってましたが、本当にとってしまいました。
本当にすごかったです。Italo選手、おめでとうございます!
2019のCT最終ランキングはこちら。
五十嵐カノアが6位に躍進!このトップ10に日の丸が入ってるなんて、ホント少し前なら考えられなかったこと。嬉しいですね!

あともうひとつ、Kelly SlaterがTriple Crownを獲ったというのも大きなニュースですね。
オリンピックへの代表選手の出場枠としてはJJFになったようですが、まだ来年のISAでもチャンスがあったような、、、?
ぜひ志田下でレジェンドのオリンピックでのサーフィンを観たいものです。
昨日のコンディションはこちら
気圧配置&天気と波情報 :午前3時の実況天気図 ASAS今日はいつもブログ書く時間帯にちょうどBillabong Pipe MastersのFinalが開催されていたため、簡易更新となります。これからSemi-Finalが[…]
千葉・湘南 風、波、潮の状況と今日の注意事項

気象庁 アメダス 風向風速(関東地方)
https://www.jma.go.jp/jp/amedas/206.html?elementCode=1
今朝の千葉エリアは、北部のほうが強い北東の風。南部は北西の風に。
東からの弱いうねりが反応しているようで、千葉エリアはアベレージで腿腰から腹くらいのサイズ感。
千葉北エリアは北東の風がかなり入ってしまってるようで、今日はこの北東を軽減するポイントが中心のサーフィンとなりそうです。
一宮周辺はオンショアとなりサイズはあるほうですけどコンディションは乱れていて良くない感じ。
千葉南エリアでは北西の風が吹いてるようで、こちらは比較的まとまった波になってる感じに。
朝は潮が少ない時間帯だったので、鴨川から和田エリア、千倉から千歳まで腰腹くらいの遊べる波だったようですけど、潮が上げてくると割れにくいサイズです。
湘南は厳しそうなサイズで鵠沼ではロングでもちょっと厳しそうな感じに。吉浜まで行けばもうすこしサイズはありそうです。
茨城は鹿島から波崎まで北東の風でハードなジャンクな波。大貫から大洗は北西の風が吹いてるようで腰腹くらいでできそうです。
今後の気圧配置と波: 北からの風が続く
午後9時の予想天気図 FSAS24

関東の南海上にある隠れた低気圧はちゃんと低気圧として解析され、前線を伴いながら東へ進んでいき、日本海に中心のある高気圧も東へ移動してきます。
午後も北からの風が吹き続く見込みで、風を軽減できるポイントが中心のサーフィンとなりそうです。
千葉北では片貝周辺、千葉南では鴨川から和田エリアが無難なポイントになりそうですが
、鴨川から和田エリアでは潮が多い時間帯は割れにくいコンディションとなりそうです。
湘南は厳しいサイズが続きそう、、、
明日午後9時の予想天気図 FSAS48

明日の午前中までは日本海にある高気圧から覆われて関東地方は晴れ間もでそうです。
東シナ海には次の低気圧が早くもスタンバイしており、これから前線を伴って夜には紀伊半島の南海上あたりまで東進してくる見込みに。
明日も北東の風がやや強めに吹きそうで、次第に 東よりの波の反応が良くなってくるかもしれません。
今日と同じく片貝周辺や鴨川から和田エリアでは風を軽減してそこそこできそうなコンディションとなってきそうです。
ただ低気圧が近づいてくる午後は雨になってきそうで北東の風にシフトしてきそう。
午前中のほうが西成分の入った北風になりそうなので、晴れてオフショアベースの午前中に入っておくのが良さそうです
過去の同じ日の気圧配置と波情報
12/21 3:00今日は冬至昼の時間が一番短い日でこれから6月の夏至にかけて陽は長くなっていく夏至の頃は朝一は4時くらいから海に入れるが冬至の今頃は早くても6時30分以降寒くなるのはこれから、海の中も冷たくなるのはこれから、朝一着[…]
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各エリア : 今日のこよみ潮まわり
千葉エリア:今日のこよみと潮まわり(勝浦)
2019/12/21
日の出:06:45 / 日の入:16:31
長潮
満潮:12時13分(132cm) / 時分(0cm)
干潮:05時34分(64cm) / 19時13分(53cm)
湘南エリア:今日のこよみと潮まわり(江の島)
2019/12/21
日の出:06:47 / 日の入:16:33
長潮
満潮:00時01分(106cm) / 12時45分(127cm)
干潮:06時01分(60cm) / 19時36分(56cm)
伊良湖エリア:今日のこよみと潮まわり(赤羽根)
2019/12/21
日の出:06:57 / 日の入:16:45
長潮
満潮:01時08分(122cm) / 13時26分(146cm)
干潮:06時55分(66cm) / 20時17分(50cm)
磯ノ浦:今日のこよみと潮まわり(和歌山)
2019/12/21
日の出:07:01 / 日の入:16:54
長潮
満潮:01時58分(126cm) / 14時17分(153cm)
干潮:07時46分(73cm) / 21時10分(55cm)
宮崎:今日のこよみと潮まわり(宮崎)
2019/12/21
日の出:07:11 / 日の入:17:15
長潮
満潮:01時36分(136cm) / 13時57分(162cm)
干潮:07時28分(64cm) / 20時42分(48cm)
仙台新港:今日のこよみと潮まわり(仙台新港)
2019/12/21
日の出:06:50 / 日の入:16:20
長潮
満潮:11時08分(129cm) / 時分(0cm)
干潮:04時26分(64cm) / 18時18分(57cm)
関連データリンク情報
気象庁 アメダス 風向風速
関東地方
https://www.jma.go.jp/jp/amedas/206.html?elementCode=1
近畿地方
https://www.jma.go.jp/jp/amedas/211.html?elementCode=1
気象庁 波浪実況・予想図
https://www.data.jma.go.jp/gmd/waveinf/tile/jp/index.html